http://sp.recordchina.co.jp/news.php?id=427349

2018年1月10日、韓国・朝鮮日報によると、韓国で衛生面の理由から公衆トイレの便器横にあるごみ箱が撤去されたが、かえってごみだらけになってしまっている現状が明らかになった。

韓国行政安全部は昨年5月に公衆トイレなどに関する法律施行令を改正し、今年から公衆トイレの便器横にあるごみ箱を撤去することにした。ごみにより発生する悪臭や害虫を防ぎ、トイレを清潔に保つことが目的。韓国ではこれまで使用済みのトイレットペーパーを便器横のごみ箱に捨てることが多かったのだが、今後は便器に流して女性トイレにはサニタリーボックスだけを設置、トイレのドアには「ごみ箱を撤去したので使用済みのトイレットペーパーは便器に流してください」などの利用案内文を掲示することにしたのだ。

しかし、いざごみ箱を撤去してみると、ごみをどこにでも捨てる利用客が急増。サニタリーボックスや床にごみがあふれ、便器も頻繁に詰まるようになってしまったという。同紙はソウル・鍾路(チョンノ)にある公衆トイレの8日の様子について「トイレの個室の床に使用済みのトイレットペーパーが捨てられ、飲み残しのテイクアウトコーヒーカップが2〜3個放置されていた。うち1カ所はすでに便器が詰まり使用できなくなっていた」と伝えている。

これに先立ち、ソウル地下鉄でも「ごみ箱のないトイレ」の導入により同様の問題を経験していた。1〜4号線では昨年8月と9月に男女トイレのごみ箱を順に撤去していったところ、便器が詰まった件数は7月の648件から8月には1049件、9月には1448件と2カ月で2倍以上に増加したという。原因はトイレットペーパー、ストロー、カード、プラスチックのふた(コーヒーカップ)の順に多く、中には食べ残しのりんごや靴下、下着、携帯電話や財布も出てきたそうだ。

改正施行令により、ごみ箱を変えない公衆トイレには100万ウォン(約10万5000円)以下の過料が科せられるのだが、便器の詰まりがあまりにも多いためにごみ箱をそのまま置いている所も多いという。

同紙の調査によると、鍾路区と中(チュン)区の公衆トイレ10カ所中4カ所は依然としてごみ箱が置かれていたとのこと。そのごみ箱もさまざまなごみであふれそうになっていたとされ、中区公園緑地課の関係者は「ごみ箱がある今でさえ1週間に1〜2回は便器が詰まっており、すぐに廃止するのは困難」とし「1カ月間の広報活動の後、ごみ箱を撤去しようと考えている」と伝えている。

市民らの反応はというと、ごみ箱撤去に対し「衛生的にいい」などおおむね肯定的な反応をみせているが、一方で「今でも『トイレットペーパーを便器に流すと詰まる』という認識が残っているため、(ごみ箱を撤去しても)トイレがさらに汚くなるだけだろう」という意見も出ているという。

また、専門家から「公共トイレの利用マナーに対する市民意識の向上が優先。制度だけでなく市民意識を変えられるよう政府や公共機関が積極的に広報に乗り出すべき」と助言の声が上がる中、行政安全部の関係者は「完全に定着するまで3年ほどかかるとみている。公共機関と協力して広報キャンペーンを拡大する計画」と伝えている。

これを受け、ネットユーザーからは「なんでトイレットペーパー以外の物を捨てるの?」「家ではトイレットペーパー以外の物を便器に捨てないくせに」とマナーの悪さに対する非難の声をはじめ、「まだ未熟だということを自らアピールしているようなもの」「これだから後進国」など嘆き節が続出している。

他国関連のコメントも多く、日本については「お隣の国では公衆施設を利用した後にきれいにして出てくる人の姿を見た」、欧州については「欧州のように公衆トイレの利用料を取ろう」などの意見が寄せられた。

また、行政側に対し「市民意識に見合った行政をして。便器詰まりを直す人に何の罪があるの?」「まずは公衆トイレをきれいに利用する教育から行なうべき」などと提案するユーザーもいた。