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▲9日、板門店で開かれた南北閣僚級会談で共同報道文を交換する韓国の趙明均統一相(左)と北朝鮮の祖国平和統一委員会の李善権委員長(AP)

 来月、韓国の平昌(ピョンチャン)で開催される冬季オリンピックに北朝鮮が参加することになった。国力を誇示できる有力選手がいないこともあって当初は不参加の見通しだったが、政治的・外交的利益を考えた結果だろうか急に参加を言いだした。

 対北融和策を主張してきた文在寅政権下で五輪成功を願う韓国の雰囲気を利用できると判断したからだろう。韓国では政府、世論とも歓迎ムードが広がっているが、過去の例からして北朝鮮は選手そっちのけで応援団など大規模な代表団を送り込み存在誇示を演出するはずだ。内外のマスコミとくに日韓のマスコミは絵になる“美女応援団”や公演など北のパフォーマンスに群がり、核・ミサイル問題や金正恩独裁は忘れて北代表団の動向や南北交流の風景に熱中するに違いない。

 以前、外国のスポーツ関係者が「ピョンチャン」を「ピョンヤン」と勘違いし北朝鮮の平壌に行ってしまったという実話があるが、ピョンチャン五輪は北の参加でどうやら“ピョンヤン五輪”になりそうだ。北は1988年ソウル五輪では大胆なKAL機爆破テロで韓国への打撃を狙ったが、今回は平和攻勢で韓国および国際社会をだまそうとしている。北では昔から国際スポーツは厳しい政治・外交上の謀略手段なのです。

(黒田勝弘)

ソース:産経ニュース【ソウルからヨボセヨ】北朝鮮参加で“ピョンヤン五輪”になりそうだ
http://www.sankei.com/column/news/180113/clm1801130006-n1.html