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 見た目が重要視されるのは韓国だけの話だろうか。どこの国でも美女、美男は何らかのかたちで、日常生活のなかで、得をしているのではなかろうか。韓国が今のように世界的な整形大国といわれるようになってから、それほど歳月がたっていない。

 筆者は全然ハンサムではないが、容貌のことを気にしたこともあまりないし、容貌のことで不利益を蒙った覚えもあまり記憶にない。しかし、時代が変わり、スマホが登場し、頻繁に写真を取られる場面が多くなって、写真に写った自分の顔をみて、どうしても容貌が気になるようになったことも事実である。とくに、年を取ってくるにつれ、しわやシミなどが気になり、若くなりたいという気持ちが良く理解できるようになった。最近は手術をしなくても、しわやシミをなくしてくれる肝細胞コスメなどが人気を博しているが、依然として皮膚科、美容整形外科などを中心に施術をする人もおおい。

 日本人になぜ韓国人の女性はあんなにきれいな人が多いのかとか、韓国の女性は美に対する関心が高いとかよくいわれるが、それは根拠のある話だろうか。

 筆者の親戚に、ある日見違えるほどきれいになった人がいて、大人になって顔がきれいになったのかなと思ったら、整形手術を受けたとのこと。その子は劇的にきれいになっていたので、整形手術であんなにきれいになれるのだったら、整形してみる値打ちはあるのではないかと私は思ったことがある。

 しかし、整形手術に成功してきれいになったハッピーなケースもある反面、マスコミを賑わせているのは、施術のトラブルとか、後遺症の話が多いような気がする。家内がたまに自分の頬骨を少し削ったら、今よりは印象がやさしくなるのではないかと整形手術にチャレンジすることの可否を私に訊いてくることがある。

 それに対して私が何の返事もせずにもたもたしていると、自問自答で、整形手術はやっぱり怖いので勇気が出ないなと締めくくる時が多い。そのように一昔前は整形手術を受けるということは、今のようにカジュアルな行為でもなかったし、失敗などの相当の覚悟の要ることだった。

 しかし、最近話を聞いたら、女子校生は学校の休み期間中に二重まぶたの整形手術を受けるほど、整形手術は日常化しているという。その背景にはいろいろな理由があるだろうが、医療技術の進歩、メスを使わないで手軽に受けられるプチ整形などの登場が原因ではなかろう。

 プチ整形手術の場合、痛みもほとんどなく、10分程度で施術が終わるので、会社帰りに手術できるくらい手軽で料金的にも負担のない金額になっているようだ。良いのか悪いのか別にして、現代は美に対する意識が向上し、整形手術などが日常茶飯事になっているようだ。

 世界の整形市場規模は約2兆1,000億円であるが、韓国の整形市場の規模はその4分の1ほどを占める5,000億円という発表があった。整形手術の件数でいえば、アメリカが年間311万件で1位、ブラジルが年間145万件で2位、中国が年間105万件で3位、韓国は年間65万件で世界7位になっている。

中略

 それでは、なぜ韓国は世界一に整形手術をする国になったのだろうか。

 韓国の20代の女性の60%以上が整形をうけたという統計がある。韓国は現在就職の氷河期である。大学を出ても就職をするのがものすごく難しくなっている。就職ができないと、就職を準備する立場からすると、いろいろな努力をすることになる。

 ところが、ある統計によると、韓国の企業人事担当者の34%は、仕事の能力よりも容貌を優先するという。1回の面接で採用を判断するのはかなり難しいことであるが、人事採用担当者であっても、人間であるため、どうしても容貌の良い人を採用する傾向があるようだ。30分か1時間の面接でそんなに差が出るものではないなら、見た目のよい応募者を採用しやすくなるようだ。つまり、容貌を良くすることで身分の上昇が期待できるムードが韓国にはあるようだ。

 他の何よりも、社会全体がそれを求めているので、その結果、韓国の女性は美を磨くのに一生懸命だろう。しかし、内面の美を疎かにしているのではないのかいつも気になる。韓国が整形大国になったのは良いことだけではないようで、素直に喜べないのは筆者だけだろうか。