>>453
今更になりますが、中世以降の文語において、接続助詞の「ば」は已然形に接続しても
順接の仮定条件(もし甲だとしたら乙)を表すことがありますよ。勿論、それ以前と同じく
順接の確定条件(甲だから乙)を表すこともあります。

しかし「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」は「爾臣民」の為すべき徳目を列挙する文の中に現れ、
その最後にこれらの徳目を「以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」とまとめて終わります。
したがって同文は例えば「危急の際」等のように抽象的な条件の下の徳目を表し、
一連の徳目の一項をなしていると考えるのが適当でしょう。

要するに、同文のみならずその文脈から判断すると、同文が特定の事実や予定を
示しているとは考え難いです。古語辞典の利用をお奨めします。