韓国の代表的食品「キムチ」に異変が起きている。キムチといえば韓国料理には欠かせない定番の漬け物だが、今や韓国国内では中国産が急増。昨年、韓国が中国から輸入したキムチはなんと輸出の10倍で、年々拡大している「キムチ赤字」は、過去最高額になったという。

 聯合ニュース電子版によると、韓国関税庁が1月に発表した輸出入貿易統計では、昨年のキムチの年間輸入量は約27万5000トン。このうち99%を中国からの輸入が占めたという。

 これに対し、韓国産キムチの輸出量は約2万4000トンにとどまり、輸入の10分の1足らずだった。キムチの貿易赤字は、前年比11%増の4730万ドル(約52億円)といい、赤字幅は前年比で11%増。赤字は初めて500億ウォン(4600万ドル)を超え、統計を開始した2000年以降では最大となったそうだ。

 キムチといえば、韓国料理にはなくてはならない付け合わせ。毎食、食卓に上り、家庭でのキムチ作りは韓国の家庭の初冬の風物詩だ。なのになぜ、輸入の方が輸出よりも多いのか。

 輸入が増えたのは、価格が要因のようだ。韓国産キムチは1キロあたり3.4ドル(370円)だが、輸入は0.5ドル(55円)とおよそ7分の1。韓国農水産食品流通公社の報告書によると、韓国内の外食産業がこぞって、安価な中国産キムチを利用しており、これが輸入量を押し上げているという。飲食店のほか、病院、学校の給食から、果ては社員食堂まで中国産キムチが浸透しているそうだ。

 韓国のキムチの輸出入額は、00年代前半まで黒字だったが、06年にはついに赤字に逆転。09年に一旦輸入が縮小したものの、それ以後は輸入が拡大し続けているという。輸入量は、07年には約22万トンだったが、この10年間で26%増加している。

 一方で、輸出が減っているのは、最大の輸入国である日本向けが減少しているためだそうだ。日本向けは年々減少傾向にあるといい、韓国農水産食品流通公社は「日本国内の景気の悪化や円安、人口減による消費量の減少、日韓関係の悪化」などが輸出減少の要因との見方を示している。米国や香港、台湾などへは増加しているものの、日本向けの減少で相殺してしまい、全体の輸出額は伸びていない。

 輸出が輸入の10倍となり、過去最大のキムチ赤字となったことは、韓国メディアにとってもショックだったようだ。聯合ニュースは「キムチ宗主国の屈辱 昨年貿易赤字4730万ドル、史上最大」などと報じ、各紙も取り上げた。

(以下略、続きはソースでご確認下さい)
http://www.sankei.com/smp/premium/news/180321/prm1803210001-s1.html