■精日“ハンター”も

 精日をどう定義づけ、分析するにせよ、当局側は彼らの思考が権威への反逆につながりかねないとして警戒感を高めている。

中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報が運営するニュースサイト「環球網」は、コスプレ写真をネット上で捜索、
暴露するなど精日への追及を続けている福建省の男性を取材。男性によると精日には組織化されたものと個人的なものの2種類があるといい、
個人的な精日の多くは反抗期が要因だと分析する。

 一方の組織的な精日こそ、男性が追及の対象とする存在だ。彼らがコスプレに使用する軍服は「抗日ドラマの衣装よりも時代考証が正確で専門的」であり、
1セット十数万円もする高価なものが多いという。

 別の“精日研究者”は、コスプレが活動の中心である「軍服グループ」は千人足らずだと分析。政治的な観点の発表を主とするグループもあり、
その論調は日本経済の発達ぶりや民度の高さ、軍事力の強さを強調し、中国を「あなたの国」などと他人行儀に呼ぶのが特徴だという。

 復旦大学サイバー空間管理研究センターの沈逸主任は環球網に
「猟奇的な心理や刺激の追求、正確な世界観・人生観・価値観の欠落が若者を精日に走らせている」と述べている。
一方、「抗日ストーリーがなぜ、日本の漫画のような魅力を持てないのかわれわれは反省する必要がある」とも指摘した。

 北京大学の張頤武教授は環球網に、「少数の『精日』と、日本文化を好む広範な層を区別する必要がある」と強調しつつ、
「政治意識にかける精日は日本文化の魅力を日本人全体に投影し、
それに一体感を感じ、最後には自らの民族の最低ラインを越えてしまう」と危機感をあらわにしている。

http://www.sankei.com/world/news/180322/wor1803220001-n3.html
http://www.sankei.com/world/news/180322/wor1803220001-n1.html
http://www.sankei.com/world/news/180322/wor1803220001-n2.html