https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180412-00000002-ykf-int

 韓国で、安倍晋三首相を批判するニュースが、連日のように報じられているという。朴槿恵(パク・クネ)前大統領を引きずり下ろした「ろうそくデモ」に参加した韓国の若者らが、日本の「反安倍」勢力によるデモを応援しているとの報道もある。朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏が、看過できない韓国情勢について現地ルポした。

 私は3月末に訪韓し、韓国人のモリカケ問題への関心の高さに驚いた。

 テレビでは「断末魔の安倍政権」という論調のニュースが繰り返され、新聞では「反安倍デモ」を大々的に取り上げて、「日本の市民が、ついに『打倒安倍』に立ちあがった!」と興奮気味に報じていた。韓国にいると、まるで「日本で革命が起こったのか」と錯覚しそうだ。

 韓国のネット世界は、さらにひどい。

 「朴槿恵と同様、安倍を監獄に送れ!」「安倍を地球外に放り出せ」「麻生(太郎副総理兼財務相)と一緒に四肢バラバラの刑にしろ!」などと、信じがたい記述が並んでいる。

 安倍首相が、韓国で嫌われていることは間違いない。歴代日本首相の中で、初めて韓国に屈しなかったからだ。

 慰安婦問題の日韓合意をめぐっては、安倍首相は「ゴールポストを1ミリも動かさない」と筋を通し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に「再交渉はしない」と言わせた。憎い安倍政権が窮地に陥れば、韓国人は「ざまあみろ」と思うのだろう。

 ただ、見逃せない報道もあった。

 東亜日報・東京特派員による記事(3月22日付)は、「韓国のろうそくデモから学ぶ日本の反安倍デモ隊」とのタイトルがあり、国会近くで行われたデモについて、以下のように報じていたのだ。

 「マイクを持った男性は『隣国韓国は朴大統領を国民が引きずり下ろした。私たちも市民の力で安倍首相を辞任させよう』と熱弁をふるった」「演説者は『朴槿恵のように安倍も監獄に送ろう』『日本でもろうそく革命を成し遂げよう』と叫び、参加者は『そうだ!』と応えた」

 記事によると、韓国からSNSを通じて「反安倍デモ」を応援するメッセージが多数届いており、参加する主婦が「大きな力になる」と語っていたのだ。「韓国記者なら皆歓迎された」という記述もあった。

 日本を、韓国のような国にしていいのか。