【中国撤退リスク】中国から撤退する日本企業 資産を凍結され持ち出せず 2016/10/16 後編

■撤退には全てを捨てて逃げ出すしかない

企業が進出後10年以内に撤退する時は、進出時に免除された税金を政府に納めるという契約書を交わしています。

撤退するには合弁先への補償金や役員一人一人への補償金(つまり賄賂)が必要で、中国にある全資産を差し上げない限り同意は得られません

ここで進出企業は中国が共産国家だと思い出す事になるのだが、共産国家では操業も生産停止も国の許可が必要です。


勝手に操業したり勝手にやめたら、共産主義の計画生産の否定になり、逮捕され収容所に送られます。

進出するときに50年間操業の誓約を交わしているので、違反すれば違約金が発生します。

2015年にシチズンが中国工場を閉鎖したが、全資産を差し上げた上で違約金や補償金を支払って撤退した筈です。


こんな目に遭っているのは日本企業だけでなく、ドイツ銀行も撤退したいのだが資金の移動を凍結されてしまい撤退できずに居ます。

ドイツ銀行は経営悪化のため中国資産を売却してドイツに送金しようとしたが、当局に事実上差し押さえられています。

ドイツ銀行は買収した華夏銀行の株式を売却したが、当局の許可を事前にとっていなかったので、株式を手放して売却金は差し押さえられています。


工場のような現物だけでなく、銀行の資金も中国からは1円たりとも国外には持ち出せないのです。

ではどうすれば中国から脱出できるかといえば、中国の資産や現金は全て差し出して、すっからかんで逃げ出すしかないのです。

中国は外資撤退で外貨準備が底をつきつつあるので、なおさら外資の資金持ち出しに神経を尖らせています。


外資が数千億円分もの人民元をドルに交換して持ち出したら、その分外貨準備が減少し人民元は暴落するでしょう。

トヨタや日産やVWは中国で自動車を売りまくっていますが、中国国外に現金を持ち出すことはできないのです。