北朝鮮は、韓国軍とアメリカ軍が行っている定例の共同訓練を理由に、16日に予定されていた南北の閣僚級会談を急きょ中止したことに関連し、対話を再開する条件として訓練の中止を要求しました。
北朝鮮で韓国との窓口機関である祖国平和統一委員会のリ・ソングォン委員長は17日夜、国営メディアを通じて、韓国政府を非難する立場を示しました。

このなかで韓国軍とアメリカ軍が行っている定例の共同訓練を理由に、16日に予定されていた韓国との閣僚級会談を急きょ中止したことを正当化し、韓国政府が対話の再開を求めていることを「恥知らずだ」などと非難しました。

そして「会談を中止させた重大な事態が解決されない限り、南の政権と向き合うことは容易に実現しない」と述べ、対話を再開する条件として訓練の中止を要求しました。

また、北朝鮮のキム・ケグァン第1外務次官は16日、談話を発表し、「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば、米朝首脳会談に応じるかどうか再考せざるをえない」として、来月に迫った史上初の米朝首脳会談についても取りやめる可能性を示唆していました。

北朝鮮としては、米朝首脳会談に向けて非核化をめぐる駆け引きが激しくなる中、韓国を揺さぶることでアメリカをけん制する狙いがあるとみられます。
NHK
5月17日 23時26分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20180517/k10011442431000.html