韓国の大韓航空を中核とする財閥、韓進(ハンジン)グループの趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長は28日、相続税を脱税した疑いなどで地検の取り調べを受けた。趙会長らの脱税額は500億ウォン(約50億円)を超えるとみられている。娘のパワハラ問題に端を発した疑惑は、財閥一家の横暴に対する世論の反発を背景に、財閥トップへの捜査にまで発展した。
 趙会長は大韓航空機内でナッツの出し方に腹を立て機体を引き返させ、有罪となった趙顕娥(チョ・ヒョナ)同社前副社長の父。一家をめぐっては、高級ブランド品などの私物を航空機部品などと偽って大量に密輸した疑いで税関当局が捜査しており、追及はさらに拡大する見通し。
 一方で、会議でコップを投げたり、出席者に水をかけたりしたパワハラ疑惑で警察の取り調べを受けた次女の趙顕●(=日へんに文)(チョ・ヒョンミン)前専務は、被害者が処罰を望んでいないとして逮捕が見送られた。
 会長の妻の李明姫(イ・ミョンヒ)氏も周囲に対する暴行や、フィリピン人を同社研修生と偽り、家政婦として違法雇用した容疑で2度にわたって逮捕状が請求されたが、いずれも裁判所が棄却。世論に迎合した当局の強引ともいえる捜査手法に「やり過ぎだ」との批判もある。
 趙会長はグループ創業者の父の海外資産を相続した際、申告しなかった疑いが持たれている。地検に出頭時、報道陣に「検察に全てお話しする。申し訳ない」などと述べた。長男で大韓航空社長の趙源泰(チョ・ウォンテ)氏にも大学不正編入疑惑があり、教育省が調査している。
産経ニュース
2018.6.29 00:18
https://www.sankei.com/affairs/news/180629/afr1806290001-n1.html