韓国政府が今年の最低賃金を昨年に比べ16.4%引き上げたが、低所得層の所得は逆に減少し、所得の不平等は近年で最大にまで拡大したとの分析が示された。
 韓国保健社会研究院のカン・シンウク上級研究委員が15日、「労働レビュー」8月号に寄稿した「最近の所得不平等の推移と特徴」と題する報告によると、今年1−3月の市場所得(勤労所得など市場を通じて得る所得)を基準とした世帯所得のジニ係数は0.401で前年同期(0.375)よりも上昇した。福祉などを反映した可処分所得を基準にしたジニ係数は0.347で前年同期(0.327)を上回った。ジニ係数は所得分配の不平等さを示す指標で、値が1に近づくほど、不平等であることを示す。2006年以降で市場所得ベースのジニ係数が0.4を超えたのは初めてだ。
 こうした数値が表れたのは、低所得層の所得が大きく減少したためだ。今年1−3月の上位20%の市場所得は前年同期を12.2%上回ったが、下位20%では8.5%減少した。勤労所得も上位20%では10.5%増えたが、下位20%では27.1%も減少した。
 今回の報告では、所得下位20%で世帯主が就業しているのは21.2%にとどまり、前年同期(35.4%)よりも低下した。一方、上位20%では97.5%が就業していた。カン研究委員は「世帯所得に占める労働所得の割合は圧倒的に高く、世帯主の労働所得を決定するのはまず就業しているかどうかだ」と述べた。所得の二極化が進んだことについては、低所得層中心に「雇用氷河期」が到来したことが決定的な理由になったとした。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
2018/08/16 10:01
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