韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が5日に派遣した特使団が、平壌に滞在している間、南北経済協力に関して北朝鮮側とどのような議論をしたのかに関心が集まっている。

これに関して韓国大統領府(青瓦台)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は6日、報道陣に対し「(文大統領の)親書をはじめ特使団が行く中で、経済協力の『け』の字も出なかった」と語った。

だが鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は6日、特使団の訪朝結果の発表文で「南北首脳会談では、板門店宣言の履行成果を点検し、今後の推進方向を確認することとした」と明かした。

板門店宣言には、現在韓国政府が進めようとしている経済協力事業がかなり含まれている。国策研究所の関係者は「今回、南北首脳会談の日程を今月18日から20日までと確定させる中で、会談の議題について議論したはず。経済協力問題がその議論から除かれたとは考え難い」と語った。

南北経済協力に向けた韓国政府の意志は非常に固い。これは、来年度の韓国政府の予算にも現れている。北朝鮮との経済協力や支援に用いる南北協力基金を9624億ウォン(約956億円)から1兆1004億ウォン(約1093億円)に増やし、南北経済協力基盤のための融資予算も200億ウォン(約20億円)から1197億ウォン(約119億円)と6倍に増額した。

「特使団は経済協力問題を全く話し合わなかった」という大統領府の説明を巡っては「北朝鮮非核化の進展とは別に南北が経済協力でスピードを出すことに否定的な米国を意識したもの」という分析もある。

こうした中、北朝鮮は6日、「危機に直面した韓国経済の出口は南北経済協力にある」と主張した。

北朝鮮の対外宣伝メディア「メアリ」は「南朝鮮では、経済状況や民生がますます悪化するのを見て各階層の不満が高まり、現政権勢力も危機に陥っている。南朝鮮各界では、危機克服の出口は北南関係を改善して民族経済を発展させるほかに道はないということについて、意見がまとまっている」と伝えた。


2018/09/07 10:37/朝鮮日報日本語版
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