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▲「嫌悪表現はなぜ在日朝鮮人を狙うのか」梁英聖(リャン ヨンソン)著・キム・ソンミ訳|376ページ|1万8000ウォン

日本国内の「嫌韓」(韓国や韓国人を嫌悪する行為)は珍しくなくなった。街頭デモには「チョウセンジンを殺せ」の様な言葉が登場する。嫌悪表現反対者に対する集団リンチなど物理的暴力もある。2016年に通過した「嫌悪表現解消法」の効果はわずかだ。法律だけさらに強化して、このようなことは消えるだろうか。

著者は「そうではない」と話す。嫌悪表現を立ち止まらせるには充分でないと見る。基盤に敷かれた人種主義自体を見通して、人種主義が暴力につなげる社会的回路と条件を探して無くさなければならないということだ。

人種主義と嫌悪表現の相関関係が克明にあらわれる地点がすなわち嫌悪表現の主攻撃対象者である在日朝鮮人だ。この本は在日朝鮮人に集中する嫌悪表現の歴史と社会的な条件、原因を掘り下げる。

日帝強制占領期間の1923年、関東大地震の時の朝鮮人虐殺から、戦後の1960〜1970年代朝高生(朝鮮学校高校生)襲撃事件、1980年代のチマチョゴリ事件、2007年以後に頻発した「在特会」等の嫌悪表現事例が入れられた。

主な原因として日本に反人種主義規範自体が成立していない点を上げる。基準がなくて人種主義が「見えずに」作動するということだ。このため人種差別撤廃国際条約に基づいた反人種主義法を制定して「基準」を作り、被害実態の調査と教育を施行しなければなければならないと主張する。歴史の不正に対抗する規範をたて、政界など「上からの差別扇動」に対抗する方法も提案する。

著者は反人種主義活動家の在日朝鮮人3世だ。日本での法的地位は「朝鮮籍」。北朝鮮国籍と誤解されることが多いが、これは韓国、北朝鮮政府樹立前の1947年、日本政府が外国人登録令を施行した際に作った臨時国籍だ。その後、韓国と日本政府が韓国国籍と朝鮮籍を分離する政策を展開しながら「日本製38度線」になったと話す。

この本は出版されたが、彼は韓国を自由に行き来することはできない。韓国の読者のための序文で彼はこの本が「かわいそうな同胞の叫び」として消費されることを越えて「連帯の輪」になることを願うと書いた。

ユ・チョンイン記者

ソース:京郷新聞(韓国語) [本と人生]日本嫌悪表現の基盤に敷かれた暴力的人種主義に警鐘
http://news.khan.co.kr/kh_news/khan_art_view.html?art_id=201809072049015