IAEA=国際原子力機関の定例の理事会がオーストリアのウィーンで始まり、北朝鮮の核開発について天野之弥事務局長は、ことし4月の南北首脳会談の前後も核施設の一部を稼働させていた兆候があるなどとして深刻な懸念を表明しました。

IAEAは10日、ウィーンにある本部でことし3回目の定例の理事会を開き、日本やアメリカなどの理事国、35か国が参加しました。

天野事務局長は病気の療養のため理事会を欠席しましたが、書面で声明を発表し、北朝鮮の核開発について、ことし4月の南北首脳会談の前後もニョンビョン(寧辺)にある核施設の一部を稼働させていた兆候があるなどとして深刻な懸念を表明しました。

そのうえで、アメリカなどの求めに応じていつでも査察を再開できるよう、北朝鮮を専門に担当するチームを中心に準備を進めていると強調しました。

またアメリカが離脱したイラン核合意については「イランは引き続き合意を履行している」と指摘したうえで、今後もIAEAの査察に協力することが不可欠だと呼びかけました。

理事会は14日まで行われ、IAEAがまとめた北朝鮮の核開発やイラン核合意に関する最新の情報をもとに、各国が意見を交わすことになります。

天野事務局長が病気療養 病状明らかにせず
理事会を欠席した天野事務局長についてIAEAは、病気の治療を受けるため現在はIAEAの本部があるオーストリアの国外にいることを明らかにし、治療は成功し快方に向かっているというコメントを出しました。

IAEAは、天野事務局長の病状についてプライバシーを理由に明らかにしていませんが、すでに電話などで業務にあたっているということで、10月上旬にIAEAの本部に出勤する予定だと説明しています

ソース
NHK news web 2018年9月11日 5時22分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180911/k10011623621000.html