文大統領「終戦宣言は政治的宣言、いつでも取り消し可能」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は25日(現地時間)、米フォックス・ニュースとのインタビューで「終戦宣言は政治的宣言であるため、いつでも取り消すことが可能だ」「たとえ制裁が緩和された場合でも、北朝鮮が(非核化の)約束を破った場合、再び制裁を強化すればよい」などと述べた。

 文大統領が米メディアとのインタビューで「終戦宣言は取り消しが可能」と強調した背景には、終戦宣言に対して慎重論が根強い米国の考えを変えさせる意図があるものとみられる。米国に終戦宣言を決断させれば、今なお膠着(こうちゃく)状態にある米朝非核化交渉を前に進められるとの判断があるようだ。韓国大統領府の関係者は「米国は終戦宣言に対して拒否感を持つ必要がないことを強調した。米国内の保守陣営に向け、終戦宣言のハードルを下げようとしたものだ」などと説明した。

 しかし北朝鮮はこれまで終戦宣言を「平和協定につなげるための必須のプロセス」と見なしてきた。今年4月の南北首脳会談で合意した「板門店宣言」にも「南と北は今年中に終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換する」という趣旨の内容がある。外交・安全保障問題の識者らは「北朝鮮は終戦宣言が一度締結されれば、これは取り消すことができない不可逆的な措置と主張するだろう」と予想している。そのため「準平和協定に相当する終戦宣言は、非核化に向け実質的な進展があるまで慎重になるべき」との主張も根強い。

 インタビューで文大統領は「北朝鮮が取るべき措置は核とミサイルの実験場閉鎖、寧辺をはじめとする核施設の廃棄であり、さらに(すでに)作られた核兵器を廃棄し、(その後も)全てを廃棄すること」「いわゆる不可逆的措置を取るということだ」と明言した。それと同時に文大統領は「米国と韓国の両国が取る措置はいつでも再開可能な軍事演習の中断だ」と指摘した。つまり北朝鮮による核廃棄やミサイル実験場閉鎖などに対応する韓米の措置は可逆的であり、バランスが取れていないとの考えを示したのだ。

ニューヨーク=イ・ミンソク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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