西村康稔官房副長官は9日午前の記者会見で、韓国の康京和外相が9月の日韓外相会談で河野太郎外相に対し、慰安婦問題をめぐる日韓合意に基づき設立された「和解・癒やし財団」を年内に解散すると伝えたとの一部報道について「事実ではない」と否定した。

 同時に「わが国は日韓合意の着実な実施が重要だという立場だ。この立場に基づいて、引き続き韓国政府に粘り強く働きかけを行っていきたい」と強調した。

 西村氏によると、外相会談後の日韓首脳会談で、文在寅大統領が安倍晋三首相に、日韓合意を破棄せず、再交渉も求めない方針を伝えるとともに、財団の現状を説明した。両首脳は、この問題が日韓関係に悪影響を及ぼさないよう互いに知恵を出すことで一致した。

 日韓合意に従い韓国政府が設立した財団は、日本政府拠出の10億円から元慰安婦や遺族に現金を支給する事業などを担ったが、現在は理事の大半が辞任し、事実上運営を停止している。

http://www.sankei.com/politics/news/181009/plt1810090010-n1.html