支払い義務ない

 現代史家の秦郁彦(はた・いくひこ)氏の話
「協定上、賠償金を支払う義務は全くない。
 日本政府は経済政策の中で揺さぶりをかけ、
 韓国内での問題解決を迫るべきだ。
 進出企業への影響など配慮すべき点もあるが、
 痛みを伴わずに問題を解決させる妙案はない。
 現状では日本企業側が命じられた賠償は高額でなく、
 韓国内の資産差し押さえがあっても
 影響は限定的といえるため、
 企業側にも『我慢』が求められる。
 個人請求権をなし崩しに認めてしまえば
 同様に請求権放棄が確認されている
 中国でも問題が再燃しかねない」

戦後処理が崩壊

 神戸大の木村幹教授(朝鮮半島地域研究)の話
「韓国で請求権協定が無視される事態が続けば、
 両国間の戦後処理が全般的に崩壊するだろう。
 政府間の対話で解決できる段階は過ぎた。
 協定は解釈上の問題が生じた場合に
 仲裁機関を設置すると定めており、
 これを韓国側に提案し解決にあたるべきだ。
 国際法の専門家が精査すれば、今回の判決に問題が多い
 ことは十分に理解されるはず。
 韓国内での政治情勢などに絡んで解決がさらに
 先延ばしにされる恐れもあり、
 日本側からの積極的な働きかけが必要だ」