韓国大法院(最高裁判所)の全員合議体は30日、帝国主義時代の日本で強制徴用された被害者に対する日本企業の賠償責任を最終的に認めた。
大法官(最高裁判事)13人のうち11人がこうした結論に同意した。だが、権純一(クォン・スンイル)大法官とチョ・ジェヨン大法官は
「日本企業に損害賠償を請求することはできない」という反対意見を出して目を引いた。

この2人の大法官は、梁承泰(ヤン・スンテ)元大法院長(最高裁長官)が大法官候補者として任命提請(任命を請求)したという共通点がある。

ただし梁承泰・元大法院長が任命提請したチョ・ヒデ大法官ら、前政権で任命された一部の大法官は多数意見側に立った。
今回の判決では、大法官個人の理念や性向よりも国際条約の解釈のし方によって意見が分かれた。

権純一大法官は、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2014年9月に任命された。大法院先任・主席裁判研究官、
裁判所行政処(省庁の1つ)企画調整室長・次長など、裁判所の要職を経た「エリート判事」と評価されている。
昨年12月からは中央選挙管理委員会委員長も務めている。

チョ・ジェヨン大法官は、ソウル・徳寿商業高校を卒業して家族を支えるため銀行に就職した後、夜間大学に通って司法試験に首席合格したという珍しい経歴の持ち主だ。
弁護士として開業する前、13年間裁判官を務め、時局事件で自らの所信に基づく判決を下した。

1987年には操業中に北朝鮮に拉致され、韓国に戻った後にスパイ容疑で裁判にかけられた漁師に対し、
「証拠不十分」で無罪を言い渡した。チョ・ジェヨン大法官は昨年6月、パク・チョンファ大法官と共に文在寅(ムン・ジェイン)政権で初の大法官となった。

この2人の大法官は、1965年に締結された韓日請求権協定の対象に強制徴用被害者の損害賠償請求権も含まれていると見なした。
これにより、強制徴用被害者が日本企業に損害賠償を請求する権利は制限されるということだ。

2人の大法官は「請求権協定が大韓民国の国民と日本国民の相手国およびその国民の請求権まで対象としているのは明らかだ」
「請求権協定で規定された『完全かつ最終的に解決されたこととなる』という文言は、韓日両国はもちろん、
国民もこれ以上の請求権を行使できなくなったという意味だと見るべきだ」と述べた。
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