韓国海軍の駆逐艦と揚陸艦計3隻が5日、親善目的で長崎県佐世保市の佐世保港に寄港した。10月に韓国であった国際観艦式で、韓国側が自衛艦旗の旭日旗掲揚を自粛するよう求め、日本が護衛艦派遣を取りやめて以降、初めての韓国軍艦の日本寄港だったが、混乱はなかった。

寄港したのは駆逐艦「デ・ジョヨン」と揚陸艦「チョ・ナンボン」「イル・チュルボン」の3隻で乗組員は総勢1450人。歓迎式典では海上自衛隊の菊地聡・佐世保地方総監が「今回の寄港が両国の交流を深め友好に寄与することを期待する」とあいさつ。韓国海軍を代表し、イ・ソンリョル海軍准将も「短い期間だがお互いの未来を見据えたい」と述べた。両国とも観艦式には触れなかった。韓国海軍は8日まで、海自との意見交換会や部隊研修などに臨む。

 10月11日に済州島であった国際観艦式では「旭日旗は日本による植民地支配の象徴」との国内世論に配慮し、韓国政府が掲揚自粛を要請。日本側は「掲揚は法令義務だ」と反論したが外交関係悪化を恐れ、最終的に観艦式への参加を見送った。

 海自佐世保地方総監部によると、韓国海軍の国内への寄港は1972年以降、今回が22回目。直近では昨年12月に横須賀港(神奈川県)に寄港している。【綿貫洋】

https://mainichi.jp/articles/20181105/k00/00e/040/236000c
毎日新聞 11月5日 11時52分