【バンコク=小谷洋司】タイ政府は外国からの訪問客に対し入国時に発行する到着ビザを無料にする。中国やインドから観光客を呼び込み、国内総生産(GDP)の1割超を占める観光業をテコ入れする。米中貿易戦争でモノの輸出にブレーキがかかる中、サービス分野に活路を探る。


対象は中国本土、インド、台湾など到着ビザの取得が必要な全21カ国・地域からの訪問客。通常2千バーツ(約6900円)だが、まず12月から2019年1月末まで免除する。日本はビザ免除国のため対象にならない。

背景には訪タイ客の伸びの鈍化がある。9月まで3カ月連続で3%前後にとどまった。7月に南部プーケットで起きた船の事故で40人以上の中国人が死亡。これを機に、訪タイ客の約3割を占めてきた中国からの観光客が減少に転じた。

軍事クーデターが起きた14年を底に、タイ経済は輸出と観光業を両輪に回復してきた。貿易戦争が輸出の先行きに影を落とす中、タイ政府にとって観光業の活性化が急務になっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37473190X01C18A1910M00/
日本経済新聞 2018/11/7 16:08

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