2018年12月23日、参考消息は「中国人はこの問題でもう10年も外国人に笑われている」と題するコラム記事を掲載。中国語の意味を直訳した英語が「チングリッシュ」と呼ばれ外国人に笑われてきたことや、最近の変化について紹介した。

記事はまず、中国人が公共の看板などを英語に訳する際「妙な翻訳が多く、たびたび外国人の笑いのタネにされてきた」とし、例として「有害有毒●?(●は土に立)(有害ごみ)」は「Poisonous&Evil Rubbish(有害な悪魔のごみ)」、「残疾人廁所(身体障害者用トイレ)」は「deformed(奇形人)toilet」などを紹介。これらは中国語(Chinese)から直訳した英語(English)という意味で「チングリッシュ(Chinglish)」と呼ばれている。

記事は、英国のあるメディアの報道を引用し、「北京政府は2022年の冬季五輪開催へ向けて、大規模な『チングリッシュ』の修正に着手した」と紹介。08年の北京五輪開催時には、英メディアで「大都市・北京ではTシャツに印字された訳の分からない英語を目にする。文法も何もかもめちゃくちゃ」などと報じられたという。

また、「中国政府は海外メディアに指摘される前から本件を問題視しており、改善しようと行動してきた」と紹介。北京五輪開催前には北京市、天津市で公共の標識、看板の英語表記の大規模な修正活動を行い、6500余りの「チングリッシュ」が修正されたという。10年の上海万博の前にもボランティアを募って修正活動が行われたそうだ。さらに、北京市は中国人が最も関心を持つ「食」から修正を始め、12年には中国語のメニューを英語に翻訳するためのマニュアルを公表した。

しかし記事は、「このように改善が進む中でも、海外メディアは依然としては中国人をあざ笑っている」とし、米紙ニューヨーク・タイムズで「チングリッシュ」特集が組まれ、その中で「厳禁酒後開車(飲酒運転禁止)」とする英訳が「do drunken driving(飲酒運転をしよう)」と訳されていたことが伝えられたことを紹介。「外国人が中国人の英語を笑う状況が今も存在する」とした。

記事は一方で、11年に上演された舞台「中式英語(Chinglish)」を紹介。米国籍の華僑で著名な劇作家として知られる黄哲倫(フワン・ジェールン)氏が、英語と中国語のせりふを混ぜて作った劇だという。英BBCが本作品を「英語、中国語の言葉の隔たりを埋めるような作品だ」と評価したことにも触れた。「オックスフォード英語辞典」には「チングリッシュ」である「long time no see(久しぶり)」(中国語は「好久不見」)などが掲載されており、インターネットの普及も追い風となり一部の「チングリッシュ」が市民権を得つつある状況も紹介した。

記事はその上で、「『チングリッシュ』は『笑いのタネ』から一部は海外へ『輸出』されるようになった」と伝え、米国のあるメディアでは「いかなる言語も変化を続けている。米国人が海外へ行った際に学ばなければならないのは、自分の母国語である英語になる日も近い」と報道されたとした。一方で、「ただし、『deformed(奇形人)toilet』などは修正されなくてはならない。人を傷つける可能性のある言語は、東西双方の文化でも受け入れられない」とも指摘している。(翻訳・編集/和田)

https://www.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=674061&;ph=0&d=d0145
Record China 2018年12月25日 11時30分