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去る1月17、18日にタイのチェンマイで「ASEAN外相会議」が開催され、ミャンマーのロヒンギャ問題および南シナ海問題などが話し合われた。

 南シナ海問題については、18日に発出された議長報道声明は割愛するが、要は中国の南シナ海への侵出を、2017年11月にフィリピンが議長国を務めた際には「懸念」の文言を削除、シンガポールが議長国となった昨年に同文言が復活し、タイが議長国を務めた今年も維持されたのだが、今回の外相会議では、ベトナムとマレーシアが「強い懸念」を表明した。

 「ベトナムは一貫して対中強硬姿勢を維持してきた国であり、マレーシアは昨年マハティールが首相に復帰して以来、前政権の対中傾斜を大きく強く軌道修正しています。『懸念』程度の文言は、中国への経済依存からやむを得ません。しかしASEANが、南シナ海問題を巡りどれだけ声を上げていくのか、行動を示していくのか、今後とも注目されます」(国際ジャーナリスト)

 そこに英国の“参戦”だ。英国は最新鋭の主力空母『クイーン・エリザベス』を太平洋に派遣すると発表した。欧州連合(EU)からの離脱期限が来月に迫る同国が新たな国際戦略を打ち出す中、インド・太平洋への海洋進出が著しい中国の南シナ海「領有」化の試みに対抗するためであり、公海の航行の自由を守る国際的な動きを先導する狙いがある。

「クイーン・エリザベスは一昨年に就役し、実際に太平洋へ派遣されるのは再来年以降になるとみられます。英米軍の最新鋭戦闘機F35を艦載し、米海軍との共同作戦も可能で、南シナ海で『航行の自由作戦』を展開している米国はじめ、中国の『領海』化を認めないベトナム、マレーシアや日本との連携が強化されるでしょう」(軍事ジャーナリスト)

 同空母派遣は、ウィリアムソン英国防相が王立防衛安全保障研究所で演説した中で発表された。世界が大国間の競争時代に入ったとの認識を示し、再軍拡で旧ソ連の版図を取り戻そうとするロシアや、急成長した経済力によって軍拡を進める中国を名指しした上で、国際法違反や主権侵害の動きに対抗する強い決意を示している。

 南シナ海問題はもはやグローバルな問題となった。南シナ海波高しだ。

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週刊実話 2019年02月16日 18時00分