例えて言うなら、これはまるで「刃物を持たない運動」とやらに賛同し、家にある包丁やハサミをすべて処分するような理解し難い行為だ。

 韓国南東部、慶尚南道教育庁は2月19日までに庁舎前にあったヒノキ科の常緑針葉樹「カイヅカイブキ」を別の場所に移したと公表した。

 「移転した理由は市民の訴えがあったわけではなく、韓国メディアが『わが国固有の松もあるのに、あえて日本の学名がついた樹木が、なぜ中央玄関前に必要なのか、カイヅカイブキは日帝時代の残滓(ざんし)ではないか』との批難報道に折れたからだと言っています。それで懺悔の意味もあるのでしょう。同庁は3月1日に朝鮮半島で独立運動が起きて100周年を迎えることを契機として移転したと発表しています」(韓国ウオッチャー)

 同庁は跡地に韓国産の松を植え、報道資料に「3・1運動と臨時政府樹立100周年に合わせ、わが国固有種の松を植えて、歴史の精神を刻む」と説明した。

 坊主憎けりゃ袈裟まで憎いじゃないが、韓国の日帝残滓一掃は、日本から見ればもはや病気だ。

 「日帝残滓を合言葉に、日韓併合時代に作られた建築物や風習をすべて精算すべきだと考え、実行しています。朝鮮総督府庁舎は、1948年8月の大韓民国政府の樹立に伴い、その庁舎は韓国政府庁舎として利用され中央庁と呼称を変え、大韓民国の成立宣言もここで行われていましたが、結局1995年に解体されました。しかし総督府が日帝残滓なら韓国の最難関学府であるソウル大学は、日帝支配時代に京城帝国大学として設立されているわけで、即刻解体すべきではないでしょうかね」(同・ウオッチャー)

京城帝大が設立されたのは1924年で、朝鮮唯一の旧制大学として、また日本で6番目の帝大として、日本内地の大阪帝国大学や名古屋帝国大学よりも早く設立されている。

 「もっと言うなら大日本帝国政府は、大阪や愛知の人間より朝鮮人の教育水準を上げようとしていたわけで、両地域の人達にしてみれば、とんだ差別ではないでしょうかね」(同)

 なお日本統治時代後期において、京城帝大での内地(日本)人学生の比率は6割程度、朝鮮人学生の比率は4割程度だった。こうした現実を見る限り、現在の韓国が主張する「教育差別によって、朝鮮民族の愚民化政策を進めた」とはまったく言えない。

 京城帝大がリードしてきた韓国の進学熱は高く、大学進学率はほぼ8割と世界一だが、その弊害も顕著で、06年の韓国統計庁の調査によれば、4人家族の生活費のうち教育費は何と平均35%、現在はもっと高いという。

 子供にかかる教育費を回避するため出産を控える傾向を招き、少子高齢化社会が進む原因にもなっているわけだが、京城帝大を創ったばっかりに厳しい受験戦争に子供たちをさらしてしまったという意味では、日本は韓国に「ごめんね」くらいは言ってもいいかもしれない。

https://wjn.jp/sp/article/detail/2154859/
週刊実話 2019年02月21日 22時00分