https://www.dailyshincho.jp/wp-content/uploads/2019/02/1902120602_1-714x476.jpg
▲文在寅大統領

 徴用工問題にレーダー照射事件……日韓対立が深まる中、今度は韓国の文喜相(ムンヒサン)国会議長(73)が、天皇陛下に慰安婦への直接謝罪を要求した。2012年には当時の李明博(イミョンバク)大統領による「天皇土下座要求発言」がきっかけで「嫌韓ブーム」が巻き起こったが、今回の文議長の発言は同じような事態を招くのか――。

 そもそも、文議長が天皇陛下に謝罪させて片をつけようという慰安婦問題は、15年に朴槿恵(パククネ)前大統領との間で日韓合意を結び、「最終的かつ不可逆的」に解決したはずだった。ところが、文在寅政権が誕生すると、国と国との約束を反故にし、あらためて蒸し返してきたのはご承知の通り。

「韓国人の日本人に対する“恨(ハン)”は、400年前の豊臣秀吉の朝鮮出兵まで遡るのに、わずか4年前の日韓合意は忘れ去っているのです」とは、『悪韓論』の著者で、元時事通信ソウル特派員の室谷克実氏である。

「本来であれば、日韓基本条約とともに結ばれた請求権協定でケリがついているにもかかわらず、日韓合意に基づき、『和解・癒し財団』が設立されると、日本政府は10億円を拠出しました。そこから、元慰安婦や遺族はすでに4億円以上を受け取っています。ところが、文政権は一方的に日韓合意を反故にした。これはもう、国家的なネコババというほかありません」

 しかも、韓国の「歴史ファンタジー」はより一層、過激さを増しているという。

「振り返ってみれば、慰安婦問題は韓国発ではなく、日本発で始まりました。元日本軍人を自称する吉田清治なる人物が、“軍の命令で朝鮮人を慰安婦とするために暴力で狩り出した”などとでっち上げの証言を行った。それを鵜呑みにした朝日新聞が折に触れ、慰安婦問題を追及するようになったのです」(前出・室谷氏)

 挙げ句、韓国は慰安婦問題を政治のカードとして使い始めたのである。

「韓国では、元慰安婦という女性が次から次へと現れました。でも、その証言は二転三転した。最初、慰安婦になったのは親戚の女性に連れて行かれてと言っていたのに、そのうち日本兵に銃剣で追い立てられてに変わったり、日本軍が持っていなかったジープで誘拐されて慰安所に押し込まれたという女性もいて、信憑性に欠けるケースがほとんど。しかし、韓国の主張はますますエスカレートし、いまでは20万人以上の慰安婦が強制連行されたと言い出しています」(同)

 3年前には、慰安婦を主人公にした映画「鬼郷」が韓国で大ヒットしたという。

「少女たちは日本兵に攫(さら)われ、慰安婦として性の労働を強いられている。脱走を試みたり、病気になったりしたら銃殺されたり、あるいは生きたまま穴に放り込まれ、ガソリンで焼き殺されてしまう。でも、彼女たちの魂は蝶々になって空を飛び、故郷に帰っていくというストーリーです」(同)

 日本軍が慰安婦を虐殺したとの歴史的な証拠はなく、荒唐無稽な作り話というほかない。ところが、あり得ない話を史実であるかのように描いているのである。

「そのうえ、この映画の監督は記者会見で、“慰安婦として20万人が強制連行され、生きて帰ってきたのは二百余人であり、現在生きておられるのは44人です”と述べました。いわば、韓国における“南京大虐殺”を捏造しようとしているのです。もうこれ以上、ご都合主義の歴史ファンタジーには付き合ってはいられません」(同)
(中略:小野寺五典前防衛大臣が主張するように「丁寧な無視」が最良の方法ではないか)

 肝要なのは、国家間の約束も外交ルールも平気で破る度し難い国と同レベルで争わないことのようである。

週刊新潮 2019年2月21日号掲載

ソース:デイリー新潮<慰安婦20万人が強制連行!? 過激さ増す韓国の「歴史ファンタジー」 困った隣人の対処法>
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/02220800/?all=1