【ハノイ時事】第2回米朝首脳会談のベトナム開催をめぐり、トランプ米政権には、ベトナム戦争後に対米関係を改善し、発展を遂げたベトナムの歩みに北朝鮮も学ぶよう促す狙いがある。トランプ大統領は、首脳会談を前にツイッターで「北朝鮮も、非核化すれば同じように急速に発展する」と発信し、ベトナムが見本になり得るとの考えを改めて強調した。
 朝鮮労働党機関紙・労働新聞も27日、ベトナムが「農業だけでなく、多面的な工業構造の完備を推し進めている」と紹介する記事を掲載。同国の経済状況に北朝鮮が関心を寄せていることを印象付けた。
 ロイター通信によれば、米金融大手モルガン・スタンレーは、北朝鮮がベトナム式の経済開放を行えば、年間最大90億ドル(約9900億円)の投資機会が生まれると予測している。
 北朝鮮代表団の一部は27日、ベトナム北部の観光地ハロン湾や港湾都市ハイフォンを視察。ベトナムメディアによれば、金正恩党委員長は加わっていないが、党外交トップの李洙※(※土ヘンに庸)副委員長らが現地を訪問した。視察の結果を踏まえて、観光・リゾート開発や製造業、港湾・物流整備、農業の関連政策を検討する可能性が高い。
 ベトナムにとっても、自国の経済成長に米朝、さらに国際社会の注目が集まるのは歓迎すべき事態だ。米朝首脳会談が「良いイメージを世界に拡散させる好機」(グエン・スアン・フック首相)となり、外国企業による投資や外国人観光客のさらなる誘致の呼び水となることに期待している。(2019/02/27-20:33)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019022700788&;g=int
時事ドットコム