【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は4日、青瓦台(大統領府)で国家安全保障会議(NSC)を開き、「朝米(米朝)会談が結局は(非核化で)妥結することを信じているが、長期間の対話こう着は決して望ましくない」として、「両首脳が近いうちに会い、見送りとなった妥結を実現することを期待する」と述べた。また、「そのプロセスでわれわれの役割も再び重要になった」との認識を示した。

 先月末の2回目の米朝首脳会談は物別れに終わったが、早期の対話再開を促すとともに、韓国の仲介役としての役割が重要になったことを改めて強調した発言とみられる。

 文大統領がNSCを主宰したのは1回目の米朝首脳会談後の昨年6月14日以来。2回目の会談について議論し、対応策を検討するために開いた。

 文大統領は「2回目の会談は結果としては非常に残念だが、これまで朝米両国が対話を通じて成し遂げた非常に重要な成果を確認できた」と評価するとともに、「寧辺の核施設の完全な廃棄が議論された」として、「北の核施設の根幹である寧辺の核施設が米国の参観(立ち会い)と検証の下で永久に廃棄されることが視野に入った」との見解を示した。

 また「プルトニウムの再処理施設やウラン濃縮施設を含む寧辺の核施設が全面的かつ完全に廃棄されれば、北の非核化は逆戻りできない段階に入ると評価できる」と述べた。

 その上で、「(両首脳の間で)部分的な経済制裁の解除が議論された」として、「北の実質的な非核化措置と(見返りとしての)米国の相応の措置を議論するという、包括的かつ相互議論の段階に入ったことを示す」との見方を示し、「これも対話の大きな進展」と強調した。

 会談で北朝鮮に米国の連絡事務所を開設する問題が議論されたことも取り上げ、「核施設や核兵器などの核物質が廃棄される際、米国の専門家や検証団が活動する空間になれる実用的な契機となり、両国が関係正常化に向かう重要なプロセスとして大きな意味を持つ」と評価した。

 文大統領は、米朝が合意に至らなかったにもかかわらず、互いに相手を非難することなく、緊張を高めなかったことにも言及。「両首脳は相手への変わらない信頼を表明し、対話の継続を通じた妥結の意思を明確にした」と述べた上で「もう少し時間がかかるとしても今回の会談がより大きな合意に向かうプロセスであるという期待を持てた」と強調した。

 閣僚ら出席者に対しては、「制裁の枠組み内で南北関係発展を通じ、朝米対話をサポートできる方策を最大限見つけてほしい」として、「(昨年南北首脳が署名した)『板門店宣言』と『平壌共同宣言』で合意した南北協力事業をスピード感を持って準備してほしい」と指示した。

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