合同軍事演習終了で…トランプ氏、韓国と「決別」か “媚中”文政権に不信感強める米 識者「韓国が『中国の属国』のように見えている」

ドナルド・トランプ米政権が、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権との「決別」に動き出したとの見方がある。米朝首脳会談(2月27、28日)後、米韓両国は毎年春の大規模合同軍事演習の終了を発表した。「北朝鮮への配慮」との指摘が多いが、実は「文政権への不信感が原因だった」という分析があるのだ。「中国の覇権阻止」に全力を注ぐトランプ政権に反して、文政権は「従中」姿勢を強めているとされる。トランプ政権は、北朝鮮がミサイル関連施設の復旧を進めているとの情報に反発しているが、展開次第では、米韓同盟の解消に発展する可能性もありそうだ。

《米朝首脳会談 「文在寅・トランプ決別」…海外で飛び交う不仲説》(朝鮮日報、日本語版)

 《海外メディア「文氏、トランプ氏と対立」》(中央日報、日本語版)

 《北朝鮮の提案を称賛した文大統領、海外メディアは「トランプ氏と意見の相違」と指摘》(東亜日報、日本語版)

 韓国の保守系メディアは6日、このような見出しの記事を掲げ、悪化する米韓関係を懸念した。

 3紙はいずれも、米通信社ブルームバーグが4日掲載した、《文在寅、北朝鮮の核提案を称賛 トランプと対立か》というタイトルの記事を引用している。北朝鮮に対する、米韓両国の認識の違いを指摘したものだ。

 朝鮮日報は、ブルームバーグ以外の欧米メディアの記事も紹介し、「外信各社では『不仲』『意見の違い』『摩擦』などの表現を使って、韓米関係の異様な空気を懸念する報道をしている」とも伝えた。

 韓国保守系メディアの「米韓決別」への“怯え”を感じさせる。

 米韓両国は今月、毎年春に行われていた野外機動訓練「フォールイーグル」と、指揮所演習「キー・リゾルブ」の終了を発表した。米朝首脳会談の決裂を受け、非核化交渉の前進に向けて北朝鮮の信頼醸成を改めて図る狙いがある−との見方が多いが、まったく異なる見方がある。

日米情報当局関係者は「実は、文政権への不信感が大きいようだ。トランプ政権は『世界の覇権国家としての地位を他国に譲らない』『中国の覇権は認めない』という決意をしている。これは共和党だけでなく、民主党も含めた『米国の意志』といえる。こうしたなか、文政権は『従北』というより、『従中』『中国の属国』のように見えている」と語る。

 韓国軍から軍事機密が中国に流れる事件もあったが、米国の不信感が決定的となったのは、米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD(高高度防衛ミサイル)」の韓国配備をめぐる対応だったという。

 THAADは、朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2016年7月、韓国への導入が正式に決まり、翌年配備された。中国当局はこれに猛反発して、韓国への観光旅行について、取り扱いをやめるよう業者に指示するなど「禁韓令」のような動きが相次いだ。

 朴政権が倒れた後に誕生した文政権は17年10月、(1)米国主導のミサイル防衛システムに参加しない(2)日米韓の安保協力を軍事同盟に発展させない(3)THAADを追加配備しない−という「三不」と呼ばれる政策を発表した。「米韓同盟離脱」ともいえる内容だった。

 文政権下で、朴前大統領への処遇は苛烈だ。朴氏の後に逮捕された李明博(イ・ミョンバク)元大統領の保釈は6日に認められたが、朴氏は2審判決を経てもいまだに拘置所暮らしが続く。

 「朴氏への厳しい対応は、『THAAD配備で中国を激怒させた懲罰』ではないのか」(官邸周辺)

 文政権下では、異常な「反日行動」が相次いでいる。その一つ、韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題も、米国の「韓国不信」を強め、米韓合同軍事演習終了につながったとの分析もある。

続く。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190308/soc1903080001-n1.html
夕刊フジ 2019.3.8