【ソウル=恩地洋介】2016年に韓国の元従軍慰安婦らが日本政府を相手取り損害賠償を求めた訴訟で、ソウル中央地裁が5月以降に審理を開始する可能性が出てきた。日本政府は訴状を受け取っていないが、同地裁が8日に裁判所での掲示をもって訴状が相手に届いたとみなす「公示送達」の手続きを取ったことが分かった。

訴訟は16年12月、元慰安婦や遺族ら20人が「精神的、肉体的苦痛を受けた」として日本政府に約30億ウォン(約3億円)の損害賠償を求めた。外国が相手の公示送達は2カ月後から効力が生じるため、5月9日以降から審理が可能となる。

慰安婦問題を巡る15年の日韓合意は「最終的かつ不可逆的な解決」を約束した。文在寅(ムン・ジェイン)政権は元慰安婦を支援する財団の解散を決めるなど、合意の無効化を進めている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42404020T10C19A3FF2000/
日本経済新聞 2019/3/13 16:42