北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が15日に会見を開いたと海外メディアが報じました。そのなかで、北朝鮮側はアメリカとの非核化交渉の「中断」を検討していることを表明しました。この崔外務次官の会見を韓国政府はどのように受け止めたのでしょうか。ソウルから報告です。

 (高橋政光記者報告)
 韓国大統領府は「この発言だけでは判断できない。いかなる状況でも韓国政府は米朝交渉の再開のため努力する」というコメントを出しました。韓国では今のところ、アメリカの反応など今後の動きを注視するといった状況です。一方、北朝鮮ですが、「今回の核・ミサイル実験や核実験場を破壊したにもかかわず、アメリカは何もしてくれない」という強い不満があります。今回の強硬発言は完全非核化だけを求めるアメリカから少しでも譲歩を引き出すための牽制(けんせい)といえます。北朝鮮はアメリカと非核化交渉を続けたいのが本音です。ただ、アメリカ政府高官から「ボールは北朝鮮にある」と一方的に具体的行動を求める発言が相次ぐなか、金正恩委員長の不満を崔外務次官が代弁したとみられます。現状のままでは軍を説得し、さらなる非核化措置には踏み出せないと考えています。崔外務次官は去年のシンガポールでの米朝首脳会談の前にも、北朝鮮に強硬発言をしたアメリカのペンス副大統領を「まぬけ」と批判して、トランプ大統領が会談中止を通告したこともありました。北朝鮮が米朝両首脳の関係を頼りにアメリカの我慢の限界を見誤って従来通りの瀬戸際外交を続けた場合、軍事的緊張が再燃する恐れもあります。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000149958.html
テレ朝news[2019/03/15 16:53]