今年1月、東京入国管理局が強制調査を行った埼玉県川口市のマンション一室。逮捕・起訴された元留学生の中国国籍の男は、中国人やベトナム人などの偽造在留カード、およそ千数百枚を作ったとみられています。
「1枚、何元なの?」(東京入管調査官)
「70元(1000円)」(中国国籍の男)
末端流通価格は2万円ほどで、男の1枚あたり1000円という報酬との差額は背後にある組織に流れたのでしょうか。その後の取材で、偽造に欠かせない材料は中国・福建省福清市のある住所から届いていたことが明らかになりました。JNNは現地へと向かいました。
「こちらが該当のホープージエという通りです。靴屋さんがあったり、レストランがあったり、普通の中国の街といった雰囲気です」(記者)
該当する住所にあったのは雑居ビル。ビルの中はどうなっているのでしょうか。
「うわ〜、これすごい、何これ。全く電気がありませんね。鉄の扉が等間隔にあります。おそらく倉庫だと思われます」(記者)
中は鉄の扉で閉じられた倉庫とみられる部屋がところ狭しと並んでいました。聞き込みを続けると・・・
「まっすぐ行ったら郵便局があって、人がいっぱい立っている。その人たちに聞いてみたら?」
「あちらに郵便局がありますね。その前に女性が何人か座って話し合っています」(記者)
JNNが直撃すると・・・
「在留カードありますよ。(Q.作るならいくら?)在留カードなら1枚500元から600元。1時間か2時間で作れます」
なんと、偽造カードは名前と住所を伝え、1枚あたり1万円も払えば、すぐ完成するといいます。サンプルの写真を見せてもらうと、本物と酷似したホログラムまで施されています。
「ホログラムがないと使えないです。ホログラム入っています。(Q.本当に本物と同じですか?)本物と全く一緒ですよ。日本で使われている在留カードと全く同じです。(Q.何枚まで作れますか?)何枚でも大丈夫ですよ。(Q.20枚でも?)大丈夫。(Q.100枚でも?)大丈夫よ」(偽造在留カードの売人)
いとも簡単に入手が可能な偽造在留カード・・・。日本での検挙件数は急増していて、去年は620件と過去最多となっています。日本国内でも偽造カードはインターネット上で平然と売られていました。
「こちらのSNSでは、いろいろな種類の偽の証明書が売られています」(記者)
偽造在留カードだけでなく偽造の学生証まで売っています。偽造在留カードについて販売者に問い合わせすると・・・
「値段は1万5000円。2日かかります。本物に100%似ています」
偽造を見破るためのチェック体制の強化も大きな課題となっています。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3633233.html
TBS NEWS 2019年3月28日(木)