中国の外交・安全保障分野のシンクタンク「国観智庫」の任力波総裁は12日、ソウルで本紙のインタビューに応じ、「米国の華為(ファーウェイ)制裁は単純な経済問題ではなく、中米両国の覇権争いが重要な時期を迎えたことを示す重大な事件だ」と述べた上で、「中国の改革開放を主導してきた習近平国家主席は米国の華為攻撃に屈することなく、確固たる意志で対抗していくだろう」と指摘した。

 任総裁はまた、「韓国は今回、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の当時のように判断を誤らないでもらいたい」とも呼び掛けた。習主席の指示で2013年に国観智庫を設立した任総裁は、中国の国家プロジェクトである「一帯一路」の研究に携わり、最近韓国国際交流財団(KF)の招きで訪韓した。

 任総裁は「米国は急浮上した中国の先端技術力、通貨(人民元)力、対外的影響力をけん制する過程で中国を象徴する企業である華為をもう一つのターゲットに定めた。重要なことは米国が華為だけに制裁を加えることはできても、大きな流れである中国の総合的発展を阻むことはできない点だ」と強調した。また、中国が今後、華為以外の問題で米国と衝突したとしても、「正面突破」することになるとの見方を示した。

 任総裁は「中国は米国のけん制にもかかわらず、一帯一路戦略を通じ、東南アジア、中央アジア、東欧、アフリカの市場を急速に拡大している」とし、「韓国は米国との安全保障同盟を維持するとしても、経済的パートナーとしては中国を選択するのが有利だ」と語った。

 任総裁は韓国のTHAAD配備決定を「誤った判断」だったとし、THAAD問題が今後も韓中関係の重要問題になるとの認識を示した。

 任総裁は「韓国のTHAAD配備は事実、中国に実質的な安全保障上の脅威とはならない」としつつも、「中国はこれを中国に対する韓国の大きな態度変化だと受け止めて失望し、(報復措置は)それに対応したものだ」と分析した。その上で、「韓国に米国の兵器であるTHAADがある限り、中国が以前ほど韓国に友好的に接することはない」と断言した。

ノ・ソクチョ記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/06/13 09:00