財務省が21日発表した9月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は1230億円の赤字だった。赤字は3カ月連続。中国向けの自動車部品や韓国向けの半導体等製造装置の輸出が落ち込んだ。同時に発表した4〜9月期の貿易収支も中国向け輸出の低迷で8480億円の赤字と、2期連続の赤字となった。財務省は「中国経済が緩やかに減速している影響を受けた可能性がある」と分析している。

画像の拡大

9月の全体の輸出額は前年同月比5.2%減の6兆3685億円だった。減少は10カ月連続。輸入額は1.5%減の6兆4915億円と、5カ月連続の減少となった。サウジアラビアからの原粗油や韓国からのナフサなどの輸入が減った。

中国向けの輸出額は6.7%減の1兆1771億円と、7カ月連続で減少した。自動車部品に加え、半導体等製造装置の輸出が減少した。輸入額は1.0%減の1兆6181億円と、2カ月連続の減少。携帯電話などの輸入が減った。対韓国の輸出額は15.9%減の4027億円と、11カ月連続で減少した。食料品が前年同月比62.1%減の大幅減となった。日韓関係の悪化を受け、日本製品の不買運動の影響が出た可能性がある。

対米国の輸出額は7.9%減の1兆1874億円と2カ月連続で減少した。自動車や航空機エンジン部品などの輸出が減少した。輸入額は11.6%減の6233億円。差し引きの貿易収支は5641億円の黒字だった。対欧州連合(EU)の貿易収支は1273億円の赤字だった。

9月の為替レート(税関長公示レート)は1ドル=106円69銭。前年同月に比べ4.0%円高・ドル安に振れた。

同時に発表した2019年度上半期(19年4〜9月)の全体の輸出額は前年同期比5.3%減の38兆2332億円、輸入は2.6%減の39兆812億円だった。中国向けの自動車部品や半導体等製造装置の輸出が減った。一方、アラブ首長国連邦(UAE)からの液化天然ガスやサウジアラビアからの原粗油の輸入が減少した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

ソース 2019/10/21 8:53
★1のたった時刻 2019/10/21 16:05
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL18HV7_Y9A011C1000000/