習近平主席はたん白質の塊りにすぎない半生命体のウイルスを「悪魔」と命名することで責任を回避し、人民と遊離した中世の権力の座に隠れてしまった。死闘する武漢の現場にも現れず、民心とは遠い皇帝であることを実証した。

2003年のSARS事態当時、防護服を着て現場で指揮した胡錦濤主席とは対照的だ。世界メディアは「習近平主席はどこにいるのか」と問うている。

中国政府は「デマはウイルスより悪い」として統制してタイミングを逃した。最も大きな責任は完ぺきな1人権力体制を握った習近平主席にある。にもかかわらず「悪魔」に言及して幽体離脱話法で責任の所在を隠して無誤謬の存在として残ろうとする。代案の執権勢力がない一党制はこのように危険だ。

武漢の災難を感知して最初に問題を提起した若い医師は警察に逮捕されて反省文を書かされ、診療中に感染して死亡した。抑圧的な体制が招いた悲劇だ。

感染者発生から50日以上が経過してから、習近平主席は初めて総力対応を促す「特別指示」を出した。武漢では約4万世帯が一緒に食事をする万家宴が開かれ、封鎖前に500万人が連休を迎えて他の地域に抜けた後だった。

武漢の疫病は初期対応を誤って地球的な災難になった。2002年のSARS事態も中国は5カ月経過してから発生の事実を認めた。中国人はネット上で「我々を殺すのはコウモリでなく政府が強要した沈黙」と怒りを表している。独裁国家の中国の心理と行動は未熟であり、その費用を全世界が支払っている。

中国は世界保健機関(WHO)までも自国の報道官にした。全世界に非常事態を招いたが、事務局長は「中国政府の対処で新型コロナが海外に広がるのを防いだ」と主張した。

米国が予算支援を減らす間に資金力でWHOを掌握して生じた笑劇だ。国際機関の政治的中立性までも揺さぶった中国の貪欲は全人類に毒になるだろう。

中国は自国の70都市以上を封鎖したり住民の移動を制限したりした。にもかかわらず韓国には「中国人を入国禁止にするな」と主張する。我々の生命と安全を軽視しながら「韓国は運命共同体」という。大使の傲慢な言動は19世紀の朝鮮を属国として扱った袁世凱と似ている。

文政権は総選挙前に習近平主席の訪韓を実現させるために低姿勢を見せた。「運命共同体」発言も文大統領が先にした。米国は中国人の入国禁止措置を取り、中国の同盟国である北朝鮮とロシアも早くから国境を閉鎖した。

韓国は観光目的の中国人入国禁止措置さえも発表の2時間後に覆した。中国がそれほど怖いのか。自分を無視する相手と運命共同体になるのは奴隷になる道だ。

中国は自らの力が強まれば恩を忘れる。韓国は中国が人民に銃口を向けた天安門事態で孤立した当時、手を差し伸べて国交を結んだ国だ。中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟すると4年後に市場経済の地位を付与した。米国、日本、EUはまだ拒否している。

にもかかわらず北朝鮮の核の脅威に対抗してTHAAD(高高度防衛ミサイル)を配備したという理由で経済報復をした。そのような国と運命を共にすることはできない。

悪魔と呼んでも疫病は消滅しない。中国は前近代的な呪術ではなく民主主義と科学で事態を解決しなければいけない。感染症情報を直ちに透明に公開し、全世界が対処できるようにする必要がある。

中国は春節特需、3月の両会、来年の共産党創党100周年を意識して隠蔽・縮小しようとした。もう中国の発表は誰も信じないだろう。このような国と誰が友人になろうとするだろうか。悪魔はウイルスでなく不信感を招く嘘に隠れている。

※本文前後省略(ソース元参照)

中央日報/中央日報日本語版 2020.02.10 13:24
https://japanese.joins.com/JArticle/262381?servcode=100&;sectcode=120