女性家族部が、旧日本軍の慰安婦被害者への支援・記念事業を行う審査委員会に、与党「共に民主党」の尹美香(ユン・ミヒャン)議員をはじめ「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連、旧・挺対協)の理事らを参加させていたことが分かった。女性家族部の事業を審議する席で、正義連の理事らが「セルフ審査」を行っていたわけだ。女性家族部は2016年から今年にかけて、挺対協・正義連に総額16億1400万ウォン(約1億4300万円)を支給した。

 野党「未来統合党」のファンボ・スンヒ議員室が女性家族部から入手した資料によると、旧日本軍被害者支援・記念事業の審議委員会に、挺対協・正義連の理事らが審議委員として参加していたことが分かった。審議委員会は慰安婦被害者のハルモニ(おばあさん)たちの登録決定に関する事項、生活安定支援対象者への支援事業、記念事業の基本計画・全般的な事業推進の方向などについて審査する役割を担っている。ところが、そのような審議委員会に挺対協・正義連の理事らが参加していたのだ。

 具体的に尹美香議員は2009年10月から11年10月にかけ、2年にわたり女性家族部の旧日本軍被害者支援・記念事業の審議委員として活動した。その後、2015年10月から20年の現在に至るまでは正義連の理事らが女性家族部審議委員に名を連ねている。女性家族部は「審議委員会は、国庫補助事業遂行機関を決定する補助事業者選定委員会(選定委員会)とは役割が異なる」として「選定委員会には挺対協・正義連の理事らが参加したことはない」と説明した。審議委員としては尹美香議員など正義連の理事らが参加したが、補助事業選定委員ではないというわけだ。しかし女性家族部の関係者は「審議委員は事業報告を受け、審議委員らの意見が事業進行過程で反映される」と説明した。

 女性家族部は「戦争と女性人権博物館」の建立支援、慰安婦被害者の保護施設の運営費、慰安婦被害者の健康治療費などの名目で16年から今年まで挺対協・正義連に総額16億1400万ウォンの国庫補助金を支給した。このうち11億2400万ウォン(約9900万円)が「被害者の健康治療および各個人に合わせた支援」の名目で使われた。しかし、女性家族部は正義連側から国庫補助金の使用内訳報告書を受領したものの、実際の支援金の使われ方について現場視察による点検を行っていなかったことが分かった。

キム・ヒョンウォン記者

ソース
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2020/06/17 21:29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/17/2020061780286.html