0001蚯蚓φ ★
2020/06/23(火) 22:46:12.72ID:CAP_USER▲北朝鮮との軍事境界線近くにある延坪島をパトロールする韓国海兵隊員ら=16日(聯合通信=AP)
新型コロナウイルス禍のさなかということもあり、日本ではさほど注目されないかもしれないが、25日は朝鮮戦争の開戦70年だ。 北朝鮮の攻撃で1950(昭和25)年6月25日に始まり、53(同28)年7月27日に休戦協定が結ばれた。
犠牲者は数百万人に及ぶ。共産圏の独裁者3人が招いた悲惨な戦いだった。北朝鮮の金日成がソ連のスターリン、中国の毛沢東と秘密裏に協議し、侵攻したのである。 開戦当時、ソ連が欠席したことから国連安全保障理事会はいくつかの決議を行った。決議は北朝鮮による武力攻撃が「平和の破壊」を構成しているなどと断じ、韓国を助ける国連軍の派遣を認めた。
日本はどうだったか。 占領軍の命令で海上保安庁の掃海艇部隊が朝鮮半島沿岸海域に派遣されて働いた。触雷で日本人の死者、重軽傷者が出た。 北朝鮮軍はミグ戦闘機を飛ばしており、福岡市、佐世保市などでは空襲警報が鳴った。 釜山周辺まで追い詰められた韓国政府が山口県に亡命政権を建てることが一時検討され、東京から同県への打診もあった。 いずれも現憲法下の出来事である。
仁川上陸作戦によって戦況は逆転したが、第二次大戦序盤のダンケルクの戦いでイギリス軍がフランスから逃げ帰ったような事態になる瀬戸際だった。 戦後日本が一貫して平穏無事だったわけではないということだ。米軍など国連軍へ物資を供給した日本は経済復興のきっかけをつかんだが、この朝鮮特需の文脈だけで朝鮮戦争を理解すべきではない。
今の日本人が十分に認識していない最たる点は、万一の朝鮮有事に備えて、日本が国連軍を支えているという事実である。 朝鮮戦争は休戦中にすぎない。日本は朝鮮有事の際の国連軍への「十分な兵站上の援助」を「国連軍地位協定」で約束している。
日本は54(昭和29)年以降、米英仏豪など11カ国と同協定を結んでいる。これらの国々の軍は国連軍として日本国内の基地、空港、港湾を使うことができる。横田基地には国連軍後方司令部がある。横田や横須賀、佐世保、嘉手納、普天間などの在日米軍基地は国連軍指定基地を兼ね、国連旗が翻(ひるがえ)っている。
米軍主体の国連軍とそれを支える日本の存在は、朝鮮戦争の侵略者・北朝鮮への抑止力となっている。 これもあって北朝鮮は日本を敵視する。歴史問題などで日韓関係も最悪だ。それでも日本の果たしている役割は極めて重要といえる。日本が手を引けば日米同盟は崩れ、南北対立の激化も招く。日本の安全は大きく損なわれるだろう。
18日の安倍晋三首相の会見で、北朝鮮との緊張が高まっている韓国からの邦人退避について質問が出た。「非戦闘員退避活動」(NEO。Non−combatant Evacuation Operation)のことである。 首相は「日米、日韓、日米韓でプランを用意していくことは重要だ。中でも同盟国米国と緊密に連携している」と語った。準備状況は伏せたが、しっかり取り組んでほしいものだ。
NEOやミサイル防衛、敵基地攻撃能力の態勢整備の問題と70年前の朝鮮戦争は一直線につながっている。
(論説副委員長)
ソース:産経ニュース【一筆多論】「朝鮮戦争」を防ぐ日本の役割 榊原智
https://www.sankei.com/world/news/200623/wor2006230018-n1.html