次期WTO事務局長有力候補が辞退、韓国に有利か

 世界貿易機関(WTO)次期事務局長候補として有力視されていた欧州委員会のフィル・ホーガン委員(通商担当)=アイルランド=が「不出馬」の意向を明らかにした。AFP通信をはじめとする外信各社が29日(現地時間)、報道した。これにより、WTO事務局長出馬をこのほど宣言した韓国産業通商資源部の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長に有利な影響があるだろうとの見方が出ている。

 AFP通信によると、ホーガン委員は同日の声明でWTO事務局長挑戦を放棄すると発表、欧州連合(EU)の通商懸案があまりにも多すぎることを理由に挙げた。同委員は「EUは現在、新型コロナウイルス感染症による衝撃の克服、米国との貿易紛争、中国との関係再確立、ブレグジット(Brexit=イギリスのEU脱退)交渉などさまざまな課題に直面している。このため、私はWTO事務局長候補群のリストに名前を挙げないことにした」と述べた。

 ホーガン委員はさらに、「私の放棄決定をきっかけに、ほかの候補たちも来月8日の候補登録締め切り前に出馬を考え直すことができるだろう。誰が事務局長になろうと、WTOとEUが我々の相互目標を達成するため協力できるよう期待している」とも言った。現在、兪明希本部長以外にはエジプトの元外交官アブデル=ハミド・マンドゥ氏とナイジェリアの元財務長官ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ氏が動いており、メキシコやモルドバからも候補者が出ている。

 こうした中、日本が兪明希本部長のWTO事務局長出馬に反対して落選運動を繰り広げるという。安倍晋三内閣は、韓国政府が輸出規制問題をWTOの紛争解決機関(DSB)に持ち込んだことを非難している。WTOを舞台に韓日戦が繰り広げられているのだ。また同日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に韓国を参加させようという米国の構想に日本が反対したという外信報道もあり、青瓦台は不快感をあらわにした。青瓦台関係者はこの日、「日本の恥知らずの水準は全世界で最上位圏」と激怒した。

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