職場で「在日は死ねよ」などのヘイトスピーチを含む文書を配布され精神的苦痛を受けたとして、東証1部上場の不動産大手「フジ住宅」(大阪府岸和田市)で働く在日韓国人3世の50代女性が、同社と会長を相手取って3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、大阪地裁堺支部であった。

 中垣内(なかがいと)健治裁判長(森木田邦裕裁判長代読)は「職場で差別的取り扱いを受けるおそれがないという労働者の内心の静穏は保護されるべきだ」との判断を示し、同社と会長に計110万円の支払いを命じた。

 「私の心の痛みをくみ取ってくれた」。原告の女性は判決後の会見で、時折涙を浮かべ、喜びを語った。


 女性は在日韓国人の3世として日本で生まれ育った。

 幼なじみの在日韓国人3世が友達の親から「あっち(朝鮮)の子とは遊ばないように」と差別を受けたことがきっかけで、小学校高学年から日本名を使わず本名で暮らした。
 

 成長につれ日本人でも韓国人でもない在日韓国人としての生きにくさを痛感する一方、自分のルーツを大切にしたいと思いを強くしたという。


 日本人男性と結婚しても名前や国籍は変えなかった。
https://www.asahi.com/articles/ASN726F29N72PPTB001.html