性的醜聞で「犬のクソ畑」より「自死」を選んだソウル市長

 韓国の文在寅大統領の支持率が下落している。大きな要因は2つ。ひとつは元秘書からセクハラで刑事告訴された現職のソウル市長が自殺した件だ。

 クリーンなイメージを打ち出してきた文政権だが、忠清南道知事や釜山市長、ソウル市長といった大統領に近い人たちが次々と性欲にかられて「逮捕」「辞職」「自殺」という結末を迎えている。

 これには文政権を支持してきた女性たちも呆れるしかない。

 もうひとつは「不動産政策」の失敗だ。ソウルへの一極集中で不動産の高騰が続いている。文大統領は「価格の正常化」を訴えてきたが、政権発足からソウルのマンション価格は1・5倍に上昇。中心部ではわずか1年で価格が2倍になったマンションもあるという。

 ここまで不動産価格が高騰した一番の原因は、投資目的で購入する人が多いからだ。韓国には伝貰という不動産賃貸システムがある。入居する際、家主にまとまった保証金を支払うもので、金額は物件価格の5〜8割程度。日本円で数百万〜数千万円になる。

 家主はこの多額の保証金を金融機関に預け、利息分を家賃収入としている。だから入居者は月々の家賃を支払う必要はなく、保証金は退去時に全額が返還される。古くからあるシステムだが、財力のある家主は多額の資金で次々と物件を購入し、次第に不動産は高騰していく。問題は政府高官や与党議員、公務員までが複数の不動産を所有し、利益を得ている点だ。

■賃貸も購入もかなわない

 若者は高額の伝貰が足かせとなり、賃貸マンションに入居できず、家庭を持っても分譲マンションを購入するのは難しい。まさに、「文政権のコンクリート支持層」と呼ばれる30代が裏切られた思いでいるのだ。

 政府はまず、複数の住宅を所有する公務員に対して、居住している家以外を売却させるための勧告を検討。だが首都機能移転の問題もあってソウル市と世宗市に家を構える公務員もいるのだから簡単ではない。

 次に不動産税の引き上げを発表。これがまた多くの国民の怒りを買っている。

 韓国には「凍えた足に小便」ということわざがある。凍えた足に生ぬるい小便をかけても一時しのぎにしかならず、結果的には害を与えるという意味だ。文政権にとって不動産への増税が“生ぬるい小便”にならないといいのだが。(児玉愛子/韓国ウオッチャー)

2020年8月1日 9時26分日刊ゲンダイDIGITAL
https://news.livedoor.com/article/detail/18665681/