声明は、トランプ氏が「安倍氏と共に築いた自由で開かれたインド太平洋のビジョンを進めていく準備ができている」と強調した。ただ、大統領と個人的な信頼を築いた前首相と異なり、菅氏が外交にどの程度の政治的エネルギーを注ぐのかやその手腕は米政府にとっても未知数だ。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、菅氏が昨年5月に官房長官として異例の訪米をしたことに触れ、トランプ氏との個人的関係構築に「すぐに着手する」という見方を示す。一方、菅氏は外交経験が浅く、明確な独自ビジョンも示していない。日米同盟を強化しつつ中国との関係改善を図った安倍前首相の外交は「容易にまねできない」(ブルームバーグ通信)という声も根強い。
外交誌フォーリン・ポリシーは、衆院選を控えた菅氏が経済政策や新型コロナウイルス対応などに専念せざるを得ないという見方を紹介。一方で、中国がより柔軟な対中政策を取るよう菅氏の「操縦」を試みる可能性があるとして、「菅氏に手を差し伸べる責務があるのは米国の方かもしれない」と指摘した。
時事ドットコム 2020年09月16日21時23分
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