● チョン・サンヒョク記者

『キムチビンタ』は、非現実的なドラマにだけ出てくるものではない。

キムチを自国の文化として編入しようとする中国のありえない『キムチ工程』が露骨になると、すぐさま民間サイバー外交使節団パンク(VANK)が動いた。 「キムチを中国の塩漬け野菜である “泡菜(ぱおつぁい)” と翻訳した文化体育観光院の訓令第427号を正してほしい」とし、関係部庁に11日に要請したのである。これらは、「日本が独島(トクド)を “竹島(タケシマ)” と称しているのを公式に認めてはいけないように、中国がキムチを “泡菜” と称しているのを認めてはならない」と指摘した。政府の態度が安易だったということである。

昨年7月、文化体育観光部が制定した『公共用語の外国語の翻訳および表記指針(英語・中国語・日本語)』によれば、「中国ですでに広く使われている食物名の慣用的表記はそのまま認める」と規定されている。その例示として、『キムチチゲ』を『泡菜湯(ぱおつぁいたん)』と翻訳していたことが問題になった。政府が率先して『キムチ工程』の口実を与えた形になったからである。泡菜は中国・四川(すーちゅわん)地域の野菜漬けで、キムチとは別の食べ物である。議論が激しくなると、すぐさま文化体育観光部は当日に解明資料を提示し、「今後はキムチの中国語翻訳に対する国民感情などを考慮して、農林畜産食品部および専門家協議を通じて訓令を整備する」と明らかにした。文化体育観光部の関係者は、「当時は慣用的表現と判断していたが、今は “独島” のように政策的な考慮が必要な状況になった」と話した。

(岐阜)
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▲ 去る9日、チャンネル登録者数1400万人を有する中国人ユーチューバーが、韓国式のキムチを漬ける映像を載せた後、「Chinese Food」と紹介して炎上した。(Youtube)

パスタ(Pasta)をピビムグクス(ビビン麺)、ピヂャ(Pizza)をピンデトック(酷、煎)とは表記しない。同様にキムチはただのキムチである。英語翻訳でも『Kimchi』に過ぎない。韓国外国語大学校のカン・ヂュンヨン教授は、「説明の便宜のために、韓国を代表する固有名詞まで譲歩する必要があるのか」とし、「中国の反則が “キムチ” に止まらないため、今回も十分に整備すべきだ」と話した。一部の中国人はキムチだけではなく、最近では韓服(ハンボク)やパンソリ(民俗芸能的なやつ)も中国の固有文化という強弁な主張をして物議を醸した。

キムチの宗主国は論争の余地がない。だがしかし、我が国の政府の対処がお気楽すぎるという批判が出る。中国官営メディアである環球時報は昨年11月、「中国のキムチ製造法が国際キムチ市場の基準となり、韓国が屈辱を受けた」というフェイクニュースを掲載し、中国最大のポータルサイトである百度(ぱいどぅ)百科事典が、「韓国のキムチは中国が起源である」と説明する事実も摘発された。 政府の代わりに民間が間違いを正している。あるネチズンは、「有形・無形文化財も国力があってこそ守ることができる」と投稿した。ボーっとしていると、またビンタを食らってしまうことになる。

ソース:朝鮮日報(韓国語)
https://www.chosun.com/opinion/journalist_note/2021/01/13/XX3U24Z26FGJRPCN2BJ2D3Z5HU/?