韓国政府では17日、「世界保健機関（WHO）が承認した新型コロナワクチンの接種が完了した人には、韓国に入国する際に自己隔離措置を免除することを検討する」と明らかにした。WHOが承認したワクチンには、米国企業ファイザー、モデルナ、ヤンセンのワクチン、英国企業アストラゼネカのワクチン、中国企業シノファームのワクチンがある。政府がこの見解を変えなければ、シノファーム製ワクチンの接種完了者も自己隔離を免除されることになる。
疾病管理庁の鄭銀敬（チョン・ウンギョン）庁長は「現在、米疾病対策センター（CDC）も米食品医薬品局（FDA）が承認したワクチンだけでなく、WHOで緊急使用が承認されたワクチンも含めて（米国への入国者に対して自己隔離免除を）適用するものと基準を定めている」「該当国でのみ承認されたワクチンに（自己隔離免除の恩恵を）与えれば、かなりの範囲が制限される可能性があるため、WHO承認ワクチンも検討するという状況だ」と説明した。
現在、各国は新型コロナワクチン相互承認協約を話し合っているところだ。韓国政府が5日から自己隔離を免除するのは、韓国でワクチン接種を完了した国民に限られている。しかし、全世界的にワクチン接種率が上がれば、自由な海外旅行などのため、他国でワクチン接種を終えた人々にも恩恵を与えるしかない。政府は「現在、外交部を中心に各国がどの程度厳密に（接種証明の）手続きを確認しているのか、また、各国の自己隔離免除範囲、予防接種証明書を確認する手続きが進行中であることを確認し、国ごとに協議を進める予定だ」と述べた。
ただし、問題は中国のワクチンの予防効果を立証するデータが不足していることだ。WHOによると、新型コロナ有症状者や、入院患者に対するシノファーム製ワクチンの効果は79％だという。しかし、60歳以上の高齢者層は臨床対象者が少なく、ワクチンの有効性を評価していないし、変異ウイルスに効果があるかどうかもまだ確認されていない。嘉泉大学のチョン・ジェフン教授は「シノファームはまだ第III相臨床試験の中間結果データしか出ていない状況だ」「今は同ワクチンのデータを綿密に検討した上で、決定すべき事案だ」とした。高麗大学のキム・ウジュ教授は「発展途上国に分配するワクチンが不足しているため、WHOはシノファームも緊急承認したものと見られる」「WHOの承認とは無関係に、韓国政府は自主的にシノファームのデータを徹底的に検証すべきだ」と語った。
キム・ジョンファン記者
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版 記事入力 : 2021/05/18 11:01
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