長崎の場合,広島と違って,近隣の離島で強制労働を強いられていた朝鮮人が原爆後の死体や瓦礫の処理に動員され
て大量に入市被爆している事実が指摘されたからである。また,広島・長崎への強制連行は敗戦前
7年間に激増したことも指摘された。すなわち,広島県内在住朝鮮人人口は1938年24,878人から
1945年84,886人へと3.4倍,長崎県内は同8,852人から61,773人へと7.0倍。これは北海道(8.0倍)
と福岡県(3.4倍)を除く他府県を大きく超える増加率であり,その要因が三菱重工業をはじめと
する軍需産業であったのである。