フィリピン、0.75%緊急利上げ インフレ抑制へ前倒し

【マニラ=志賀優一】フィリピン中央銀行は14日、政策金利である翌日物借入金利を0.75%引き上げ、年3.25%にすると発表した。高水準のインフレを抑えるため、8月の金融政策決定会合を待たずに緊急で利上げを決定した。米国との金利差によって進行するドル高ペソ安の抑制にもつなげる。

マルコス大統領の新政権で中銀総裁に就任したメダラ氏は同日、「拡大を続ける価格上昇圧力には金融政策の引き締めが求められると判断した」と述べた。

フィリピンでは6月のインフレ率が6.1%と5月の5.4%からさらに上昇した。利上げによって食品やエネルギー価格の上昇を抑える狙いがある。通貨フィリピンペソも1ドル=56ペソ台と史上最安値圏にある。燃料などを輸入に頼る同国はインフレとペソ安の両方への対応が求められている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM142PV0U2A710C2000000/
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