「人身売買」の被害者は、カンボジアを中心にミャンマー、フィリピン、ラオスのカジノなどで発見されている。被害者はSNSを通じて日給約2万円ほどの「高給の仕事」を持ちかけられていた。地元の犯罪組織が勧誘したとみられる。被害者は、現地に行くと、インターネット上で女性を装って男性に偽の株取引を持ちかけ、金を振り込ませるオンライン詐欺や電話詐欺を行う組織に身柄を売られたケースが多い。ノルマを達成できないと監禁、暴行されたとの訴えも目立つ。
各国などは、摘発と被害者救出を進めている。インドネシアは10月までにカンボジアから514人のインドネシア人を救出した。ベトナム人やタイ人、インド人のほか、香港や中国本土の被害者も確認されている。台湾当局は、3月から12月26日までにカンボジアで700人の台湾人被害者を確認した。被害者数は、本紙が把握しただけで2700人以上おり、実際ははるかに多いとみられる。
カンボジアの捜査当局は8月、ベトナムとの国境近くにあるカジノでベトナム人を強制労働させていたとして、中国人のマネジャーを逮捕。タイ当局も8月、ミャンマーでカジノ経営などを手がける中国人実業家を逮捕した。経営する施設で人身売買や監禁などを行った疑いがあるという。
米国平和研究所で東南アジアを担当するジェイソン・タワー氏は「2012年頃に中国でオンライン賭博の取り締まりが強化され、拠点がカンボジアに移った。今はミャンマーの拠点が増えている」と分析する。
12/30(金) 7:07配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/649f1befec4db07ddf84a6817ddfcf667429f527