韓国政府が3月6日、元徴用工をめぐる訴訟問題について、日本企業が命じられていた賠償分を韓国の財閥が肩代わりする“解決策”を正式に発表した。
日本政府は、歴代内閣が示してきた植民地支配への「反省とおわび」の継承を表明した。日韓関係の改善に向け、やっと政治的な決着が図られることになったのである。

ー中略ー

 しかし、文在寅大統領政権時に韓国経済が悪化して、政権支持率が大幅に下落した。

 支持率を上げるためにどの権力者もが考えるのは、前政権の大きな政策を否定することだ。文氏は朴槿恵前政権が日本と結んだ「最終的かつ不可逆的」解決をうたう日韓合意を強く否定した。だが支持率は上がらなかった。

 そこで元徴用工問題で賠償分を日本企業が負担すべきだと表明し、支持率を上昇させたのである。

 ところが、これに対して日本は、安倍晋三首相(当時)の首席秘書官であった今井尚哉氏を中心に韓国への経済制裁を連発した。

ー中略ー

 だが当時、安倍首相が黒田東彦日銀総裁と組んで、「異次元の金融緩和と積極的財政出動によって内需拡大、日本経済は成長する」と自信満々に強調していたアベノミクスの失敗が判明していた。
安倍首相が3選されたとき、内需拡大も経済成長もまったく実現できていなかった。
安倍首相は私にどうすべきかと問い、私は西村康稔、斎藤健、村井英樹の3氏をキャップにして、日本経済の抜本的改革に着手することを提案した。
安倍首相が経済問題に専念したために日韓関係の回復には手が付けられなかったのである。ただし、安倍首相の辞任により、その改革も道半ばとなった。

 その意味で、今回の韓国政府の提言は大変ありがたいことだ。中国やロシアの脅威、北朝鮮問題も山積する中、日韓関係の回復は急務だ。岸田文雄首相は何としても同調すべきである。

※週刊朝日  2023年3月24日号

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3/15(水) 6:30配信
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