ー前略ー

 前述のようにヌートバー選手がすっかりチームに溶け込み、試合でもその本領を惜しみなく発揮しているのに対して、エドマン選手については「外国人の助っ人」的な扱いであり、
やはり今回の予選敗退の結果も相まって他の選手同様に「戦犯」としての批判も向けられている。

 そんなエドマン選手は、今回の大会を振り返って「韓国代表としてWBCでプレーできたことはかけがえのない経験だった」と述べ、
また、チームメイトのヌートバーの活躍ぶりや日本での人気に羨ましさも覗かせていたという。その言葉からは満足行く結果を残せなかったことへの悔しさも感じられるようである。

「金」と「政治」

 韓国でも外国籍の選手や、韓国籍に帰化した海外出身の選手、今回のエドマン選手のようなケースもスポーツ界で徐々に増えている。

 しかし、このような選手達に対する理解や寛容性が日本と比較するとまだまだなのでかもしれない。

 スポーツなどに関して「期待はしていない」と言いながら、結果が思わしくなければこぞって批判をするのはよくあることであり、
また、今回の韓国代表チームに関するニュースのコメント欄を見ていた気がついたことは、日本ならばないであろう本来のスポーツ観戦とはかけ離れた意見が実に多かったことである。

 前述のように予選敗退したことへの選手の態度やプレーに対する批判であるならまだ致し方なく、モラルをわきまえたものであれば理解もできるものの、
何かと「金」や「政治」と結びつけた意見が目立つことにいかにも韓国らしさを感じた。

 例えば、選手の戦いぶりについて「年俸泥棒」「金の無駄」「野球チームを持つ企業はチームを手放して他の有意義なことに金を使え」などと、やたらと「金」と結びつけた書き込みが多いことである。

 また、スポーツの国際大会となるとこれまたきまって政治を絡ませた意見も散見されることである。
結果や選手に対する批判から何故か政治や大統領批判、左派と右派の対立のような意見までとカオスであったりする。
冷ややかな視線

 やはり、こうしたところが日本におけるスポーツ観戦の感覚とは大きく異なる。

 韓国で純粋に応援やスポーツ観戦をとはなかなかいかないところであるが、それでも、最近は何かと政治的な分断を煽るマスコミや一部のネットユーザーの発言を冷ややかに見る意見も増えつつあり、
今後、どのように変化していくのか注目したいところである。

全文はソースから

現代ビジネス 田中 美蘭(ライター)
3/23(木) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/51722f9105011008b49f7107b3928d3a0c6c263d