ハンギョレは創刊35周年を迎え、信頼回復と読者にもう一歩近づくための道に乗り出す。写真はソウル孔徳洞のハンギョレ社屋
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1988年のハンギョレの創刊は、市民の力とクーデターや軍部独裁に反対して報道機関から追い出されたジャーナリストをはじめ、各界各層の情熱と知恵が集まって成し遂げられた奇跡のような歴史だった。
人ならば世の中を知り、自分の道を切り開ける年といえる創刊35周年を迎えた今日、現在の韓国社会とハンギョレがその歳月の分だけ成熟したのかを振り返る。韓国社会が民主化以後に成し遂げた成果を否定する人はいないだろう。
経済的成長からK文化まで物質的・文化的成果も目覚ましいが、独裁と権威主義政権で隠されていた真実を見つけ出し、誤った歴史を正す勇気も私たちは共に分かち合った。成長と構造的問題に埋没し一人ひとりを尊重しなければ、真の社会的進歩は実現できないという共感も形成された。
■わずか1年前には想像もできなかったこと
(略)
■権力の監視と代案の省察の使命を果たす
しかし、民主、民生、民族統一というハンギョレ創刊精神に集約された35年前と、今私たちの目の前に置かれた時代の課題が同じであるわけではない。人口、気候危機、人工知能(AI)のような新しい課題に対する答えを探すことが求められている。
何よりも35年の歴史を通じて、白黒や善悪の二分法ではいくら崇高な課題も解決できないという事実が明らかになった。野党と進歩陣営も「ダブルスタンダード」から自由ではないという現実も、変化の動力を弱め、敗北感と疲労感を深めていることは否めない。
このような状況だからこそ、私たちに希望を抱かせるのは常識と恥を知る市民の力だ。その出発点は「省察」でなければならない。ハンギョレも創刊以来、弱者の側に立って平等と共存の共同体価値を守るのに務めてきたが、至らない点が多かったことも自覚している。
特に今年起こった「編集局幹部の金銭取引事件」によって、私たちは原点を振り返ることになった。創刊35周年を迎え、ハンギョレが倫理実践の内在化と法曹報道の変化などの案を明らかにすることは、外部の批判に開かれた姿勢で実践を続けていくという約束だ。
民主主義の原則が後退することがないよう権力の監視を強化しながらも、より良い暮らしに向けた代案を示し、未来の選択に深みのある考え方を提示するメディア本来の道へ、決然たる覚悟で再び乗り出す。
ハンギョレ 2023-05-16 06:28 修正:2023-05-16 08:57
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