田中貴金属工業は12日、中国の関連会社である成都光明派特貴金属有限公司
(出資比率・成都光明光電60%、田中貴金属工業40%)と燃料電池用電極触媒製造技術に関する
技術援助契約を締結したと発表した。

中国での燃料電池用電極触媒の需要拡大に対応する。成都光明派特貴金属の子会社で、
2024年夏に本格稼働を開始する雅安光明派特貴金属有限公司(四川省)の工場内に生産設備を設置し、
25年中に中国向け燃料電池用電極触媒の生産を開始する予定。

 同社は、湘南工場(神奈川県)内のFC触媒開発センターで固体高分子型燃料電池用(PEFC)と
固体高分子型水電解用(pEWE)の電極触媒を開発・製造している。
PEFCのカソード用に高活性・高耐久な白金触媒や白金合金触媒を、アノード用に耐一酸化炭素被毒特性に優れた白金合金触媒や
OER触媒(酸素発生反応を活性化させる触媒)、PEWE用アノードには酸化イリジウム触媒を販売している。

PEFCは、燃料電池車(FCV)や家庭用燃料電池「エネファーム」などで使用されており、今後はバスやトラックといった商用車、
フォークリフトなどの荷役自動車、建設重機、ロボットなどの産業機械、大型定置用途などでの需要拡大が見込まれている。

 中国では、政府方針として水素エネルギーやFCVを戦略産業として育成を推進しており、
燃料電池技術の研究開発や普及を促進するためにさまざまな支援策を実施している。
補助金や税制優遇措置などが導入され、燃料電池車両の開発と導入を後押ししているほか、
都市部および主要交通路に水素供給インフラが整備されるなど、今後の燃料電池市場の成長が期待されている。

9/13(水) 6:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/07255b0456e937ee676b2f39017e505fb6b86bd1