ラオスの首都ビエンチャンを訪問している石破茂首相は10日午後（日本時間同日夜）、中国の李強首相と約35分間、会談した。
両首相は戦略的互恵関係を引き続き推進し、具体的な成果を出すため、双方が事務当局に指示を出すことで一致した。
首脳を含むあらゆるレベルで重層的に意思疎通を重ねることも確認した。

　両首相の会談は初めて。日中の首相が対面で会談するのは、5月に岸田文雄首相（当時）が訪問先の韓国・ソウルで李首相と会談して
以来となる。

　石破首相は会談の冒頭、「日中両国には協力の潜在性と、互いに懸案があるが、両政府の努力を通じて両国民が関係発展の
果実を得られるよう、李首相と共に取り組んでいきたい」と語った。中国国営の新華社通信によると、
李首相は「中日両国の発展は互いにとって重要な機会であり、挑戦ではない。中国は日本と多分野での協力を強化し、地域の平和、
安定、繁栄を共に促進することを望む」と呼びかけた。

　石破首相は、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を巡り、日中両政府が9月に日本産水産物の輸入停止措置の撤廃を発表したのを受け、
輸入の早期回復を実現するよう求めた。また中国広東省深?市で日本人学校に通う男子児童が9月に刺殺された事件について、
事実解明や日本人の安全確保を求めた。

　石破首相は、8月に起きた中国海軍の測量艦による領海侵入や、9月に起きた中国海軍空母による日本の接続水域航行に
「深刻な懸念」を伝達。台湾を巡る中国の軍事情勢についても「注視している」と伝えた。

　石破首相はラオス訪問に合わせた一連の会談では、自身が持論とする「アジア版NATO（北大西洋条約機構）」構想については
取り上げないとしており、李首相との会談でも言及しなかった。【ビエンチャン影山哲也、北京・岡崎英遠】

10/10(木) 19:55配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/4bdf61ba8fed7eeb06277c7ddafeec8e05cdfa19

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