住友化学は18日、無線通信モジュールを手がける韓国の新興企業のヒューコム・ワイヤレスを買収したと発表した。買収額は非公表。住友化学は既存技術を活用した周辺領域への展開としてフィルム状のアンテナ事業を強化している。買収によりアンテナからモジュールまでの一貫した開発体制を整える。

韓国子会社の東友ファインケムを通じて、2月に買収を完了した。東友ファインケムはタッチセンサーなどを手がけ、その微細加工の技術を生かしフィルム上に微細な金属配線を描いたシート状のフィルムアンテナなどの開発を進めている。

2024年には韓国のバスなど交通機関において、車両内での乗客のWi-Fi利用向けとして採用されている。

買収したヒューコムは無線通信モジュールを手がけ、韓国の大手通信会社などに採用されている。フィルムアンテナはモジュールに搭載するなどして使われる。供給網の川下にあたるモジュールメーカーの買収により、顧客ニーズの情報の獲得やそれらを反映した技術開発につなげる。

日経新聞 2025年3月18日 17:52
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC185GU0Y5A310C2000000/